
『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』
古舘佑太郎 著
株式会社幻冬舎
(2025年3月10日初版発行)
高校時代にスカウトされ、19 歳でロックバンドとしてメジャーデビュー。俳優としても朝ドラに出演、映画でも主演と活動の場を広げていた著者。しかし30 代に入ると、二つのバンドの活動無期限停止と解散に直面し、音楽への情熱を失いかけていた。そんな時、先輩ミュージシャンから「カトマンズへ行け!」と指令がくだる。東京生まれ東京育ちで、幼稚園から大学まで名門私立出身の温室育ち。本書は、極端な潔癖症で、異常なまでのせっかち、虫も旅も大嫌いな著者が何の因果か、日本を飛び立ち、タイ・カンボジア・ベトナム・ラオス・中国・バングラディッシュ・ネパール・インド・スリランカを巡る激動の2 か月の記録である。
こんなにワイルドな旅ではなかったが、著者と同じ年齢のころ、自分探しに奔走し彷徨っていた自らの「旅」について思い出した。探しても探しても自分なんて見つからない。なぜならすでに「そこ」に在るからだと痛感させられる時間だった。それでも、探さなければならない時期がある。帰国して2 年がたった。著者は何かを見つけられたのだろうか。精力的に音楽活動をされている姿をSNS 上で見かけるところをみると、一番大切なものに氣づいたのかもしれない。とても魅力的な文章だった。音楽だけでなく、書くことも続けてほしい。
(庄)
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