日 時 2026年3月15日13:30~16:00
講 師 郡和子仙台市長、ロバート・キャンベル氏(せんだいメディアテーク館長)、
平川新氏(宮城県慶長使節船ミュージアム館長)、さとう宗幸氏(歌手)、
村井美樹氏(俳優)、渡邊博之氏(伊達政宗・仙台藩の大河ドラマを誘致する市民の会会長)、
名久井麻里氏(フリーアナウンサー)
場 所 仙台国際センター 展示棟 展示室1.2
主 催 仙台市文化観光局観光戦略課
開催案内によれば、仙台市が世界から選ばれるMICE都市を目指すために進むべき方向性を考えるシンポジウムです。MICEとは企業会議や報奨・研修旅行、国際会議、展示会・イベントなど多くの人が集まるビジネスイベントの総称ということのようです。
東日本大震災から15年を経た今、災害の先にある文化と観光をテーマに議論します。伊達政宗没後400年となる10年後の2036年を目途にNHK大河ドラマ独眼竜政宗の第2弾の誘致運動を盛り上げる目的もあるようです。多くの講師陣と会場一杯の600名を越える聴衆が集ったシンポジウムとなりました。
郡市長の市の観光文化施策に関するプレゼンテーションと平川氏の基調講演がシンポジウムの道標となっており、キャンベル氏は鼎談の中で観光と文化について、さとう宗幸、村井美樹、渡邊博之の各氏はパネルディスカッションで大河ドラマについて議論を深めていきます。忘れかけた石巻市での震災対応経験や貞観・慶長地震津波などの資料を読み込んだ当時を思い起こしながら拝聴しました。
平川氏の講演はシンポジウム全体の目的、内容を包含しています。ただ、20分の講演時間内では厳しい分量だったようで、スライド映写のトラブルも加わり、3~40分の時間枠は欲しい内容でした。後日、市担当課からスライド資料の送付があり、大変参考になりました。
平川氏によれば、政宗は1601年仙台に移り、築城後、城下町の街づくりを進めていました。慶長奥州地震津波被災後、復興施策も進め、仙台藩の経済的発展を主導しました。11項目の震災復興・富国政策が遂行され、その後の発展に繋がります。津波被災地への入植奨励を行い、新田開発を促進し、江戸の発展と人口増を見込んだ江戸廻米を推進しました。輸送に必要な水路や航路の整備も行います。さらに、グローバルな視点から南蛮貿易や国際交流活動を展開しようと遣欧使節(支倉常長等)の派遣を実施しています。
また、平川氏は東北大学災害科学国際研究所の初代所長でしたが、同研究所創設時の話も聴けました。2005年の宮城内陸地震時の経験を踏まえて東北大学では災害研究の拠点新設を申請し、2008年の岩手・宮城内陸地震時ではリーマンショックの影響により予算がなくなり実現できなかったものの、2010年に認可され、東日本大震災の翌年2012年に発足しました。政宗の政策も東北大の研究所も事前にしっかりとした計画があればこそ、災害に遭遇しても計画は実現できるもののようです。近年叫ばれている事前復興計画の策定は意義あることを示す一つの証左かもかもしれません。
徳川幕府の外国政策の変更により政宗の国際戦略もうまくいかなかったようですが、時代を経て、この歴史的事実が国際交流の絆になっています。時代背景が異なるとはいえ、震災復興を主導した政宗に焦点をあてた大河ドラマの再誘致は、政宗が仙台の街づくりに注いだ熱量を現代に活かす意味では意義のあることなのでしょう。
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【平川新先生 インタビュー】※「学びの庭」バックナンバーは下記から読むことが出来ます!
第19号 2013年1月 シリーズ「東日本大震災」【2】―大震災に迫る―
![まなびのめ - 学術の世界と市民をつなぐ情報誌 [Web版]](http://manabinome.com/wp/wp-content/uploads/2016/04/sub-rogo.png)