名著への旅

第72回『日本に住んでる世界のひと』

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『日本に住んでる世界のひと』
 金井真紀著
 大和書房
(2022年11月30日初版発行)


 2021年12月の在留外国人統計によると、日本に住んでいる外国人は276万635人。(2025年6月時点では395万6,619人)様々な事情により、この人数に含まれない人々を含めれば、もっと多くの方々が日本で暮らしている。そのなかのほんの一部の人々が、どんな理由で日本に暮らすことになったか、それぞれの国にはどんな文化があって日本とどう異なるのか、著者の金子さんが18組20名の方々から話を聞いた。愛らしいイラストも金井さんの手によるもの。中国、台湾、韓国など同じアジア以外にもコンゴにマケドニアなど、あまり身近でない国出身の方々の話を聞くことで、世界の広さを感じ、それと同時に、未知の世界がグッと近づいてくる感じがする。

 ここ数年、未だかつてなく、他者や異文化を排除するかのような、不寛容で心無い言葉が街なかを飛び交うようになった。少し前まで、国際化、多様性と語られてきたものの風向きが、逆方向に吹き始めている。

 偏見や差別はいつもある種の無知や無関心、我々の心の片隅に潜む「不安」から生み出される。震災後、他者との繋がりや助け合いによって、ここまで復興してきたのではなかったか? 大きすぎる主語や断定的な言葉に惑わされそうになったら、一歩踏み留まって考えてみよう。私たちはもっと豊かに共生できるはず。

(庄)
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