日時 2025年9月27日(土)10:30~12:00
講師 高橋文氏(東北生活文化大学准教授)
場所 仙台市市民活動サポートセンター6F
主催 東北生活文化大学
9月15日は敬老の日です。65歳以上の高齢者の人口比率は約30%を占めています。100歳以上の人口が約10万人と聞くとやや驚きます。
本講座のテーマは高齢者の食の問題です。講師は管理栄養士として高齢者施設での勤務など職場経験も豊富で、4年前から現在の大学で教育、研究に取り組んでいるそうです。受講者は高齢者が大半で男性も2割ほどいました。超高齢者の両親の食の様子を見ていて氣になっていた者には時宜を得た内容でした。
高齢者の低栄養問題は免疫力の低下、筋肉量・筋力の低下、骨量の減少、認知機能の低下など健康面に影響を及ぼし、健康寿命を平均寿命より約10年も短くさせる要因にもなっています。健康状態から要介護に至る中間段階の状態、フレイルの高齢者も増加しているそうです。フレイルは身体的、社会的、精神的・心理的の3つの要素から構成されていますが、栄養、運動、社会参加の各項目の内容を見直すことがフレイルの予防につながります。このうち筋力の低下を防ぐための食事の改善が重要です。
食事について具体的な話が展開していきます。1日3食しっかり食べること、多様な食材をバランスよく、なかでもたんぱく質をしっかりとることが重要点です。
「さ」「あ」「に」「ぎ」「や」「か」 に 「い」「た」「だ」「く」
の頭文字で示される10の食品群のうち毎日7以上食べることを目標にし、主食もしっかり食べることが大切です。この他たんぱく質以外にもカルシウム、ビタミンDなども重要な栄養素です。
ここまでの理論はわかりますが、どう実践していくかも大きな課題です。超高齢社会の特徴として、高齢単身世帯、高齢夫婦世帯の増加が挙げられます。買い物もできなくなり、料理そのものも若い時のようにはできなくなっているでしょうし、身体の自由がきかなくなり、食べ物の好みも変化していきます。入れ歯の使用も食べる物に影響します。同じものを好んで食べるようになります。
それに対して、市販食品の活用、スキムミルクを使ったアレンジ食、缶詰類、冷凍食品の利用、魚肉ソーセージ(速筋たんぱくソーセージ)など料理の材料と調理法のヒントも説明してくれます。各食材のデメリットとされることも改良改善されてきているそうです。
今回の話はこれから超高齢社会の高齢者として生きていく人にはとてもよい参考となり、示唆を与えてくれます。管理栄養士という食の専門家のアドバイスですから、信頼できるでしょう。災害弱者の高齢者にとって、災害時の食材のヒントにもなりそうです。
ただ、受講者からの質問にもありましたが、持病や体質など個別の事情との調整や課題も出てきます。経済的事情や身体的な行動制限などの個別事情も考慮すると、他の分野の専門家からのアドバイスも必要な場合も考えられます。さらに学びが必要なのでしょう。
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