月日 4月13日 (展示期間 2025年3月1日~7月31日)
場所 せんだい3.11メモリアル交流館
主催 せんだい3.11メモリアル交流館
普段の生活でも家庭などから排出されたごみの処理は自治体の重要な仕事の一つです。
この企画展では災害には付き物のごみ、瓦礫など災害廃棄物の処理について東日本大震災時の仙台市の対応がパネル展示で紹介されています。
市では東日本大震災時、通常の年の7倍の量が一度に発生しました。震災ごみ6万トン、津波被災地のごみ266万トンの計272万トンです。種類別には瓦礫(可燃物)36万トン、瓦礫(不燃物)101万トン、津波堆積物135万となっています。宮城県の資料によれば、沿岸15市町の災害廃棄物の総量は約1160万トンなので仙台市は約1/4を占めます。災害廃棄物処理の場所として津波被災地内の広大な公有地を確保できたことから、搬入から分別、保管、処理そして仮設の焼却炉での処理まで一貫して行う方式が採用できました。
廃棄物処理の担当部署は大半が市役所内他部署と兼務する職員や他都市からの応援職員となる構成で組織されました。市ではこの時の貴重な経験は伝承され、能登半島地震の際にも現地に応援職員を派遣しています。
市はゴミの処理に当たり、リサイクル率50%を目標にしたそうですが、実績はそれを上回り72%になりました。さらに、ごみを分別処理されたものが私達の生活空間に84%戻されたことが示されています。例えば、コンクリート瓦礫78万トンは再生骨材78万トンとして再利用され、津波堆積物135万トンは盛土材130万トンとして活用されました。処理に要した期間は3年でした。
注目したいのは瓦礫量の予測値は実績値とは大きな差が無く、事前に精度良く予測できたことです。1978年の宮城県沖地震の経験をもとに、仙台市では2007年2月に震災廃棄物等対策実施要領を策定しており、これに基づいて予測値を算出したものでした。Web検索により市の災害廃棄物関係を調べてみると、震災時の処理対応やその結果を踏まえて2013年に実施要領の見直し・改定が行われたこと等詳しく知ることができます。
14年前の石巻で路上や公園に山積された廃棄物の光景を思い出します。これらも仙台市と同様に処理され、再利用されたことと思います。被災地域を早期に復旧復興するには迅速な災害廃棄物の撤去、処理が不可欠です。しかし瓦礫の中から行方不明者が発見される可能性もあるため慎重な作業が必要です。廃棄物集積所での車の盗難などにも注意を払い、処理するために所有者の確認と承諾を得ることが必要なごみもあるなど苦労の絶えない仕事でもあります。普段、ごみ袋の行方は見えませんが、災害時に発生した大量のごみ処理も見えそうで見えない仕事のようです。この仕事を担っている人、市職員はもちろんですが、処理現場で働く関係企業の人達にも感謝したいと思います。
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