名著への旅

第5回『鎮守の森』

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 著者が指導・監修したプロジェクトには、某流通大手Aグループによる、地域住民とともに自社店舗施設に木を植える運動と、 1998年から2000年にかけての中国万里の長城への植樹活動などがある。 

 「鎮守の森」とは「ふるさとの木によるふるさとの森」のことで、著者の師が提唱した「潜在自然植生」という考え方から来ている。木を植える場合、その土地本来の木々を探り出し、成育には少し厳しい条件下で「混植・密植」させる。こうすることで植物は「競争・我慢・共生」して行く、というのが宮脇理論の骨格である。このようにして出来た森は災害にも強い。火災の延焼や家屋の倒壊を喰い止めたことが、阪神淡路大震災で著者が検証している。 

 第二部は「日本人と千年の森」というテーマで、曹洞宗大本山總持寺の貫首である板橋興宗禅師との対談であるが、言わばこの本全体が人間の生き方、哲学の書ともなっている。「競争(この場合「切磋琢磨」の意と解したい)・我慢・共生」を鎮守の森から学ばねばなるまい。

(曜)
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