企画展「オールド・グラフィック~仙台の出版文化の歴史~」
(「仙台・宮城の出版文化」関連講座)
講師:渡邊 慎也 氏(出版文化史研究家)
日時:2009年5月16日(土)
場所:仙台市歴史民俗資料館
講師は、出版文化史研究家の渡邊慎也氏。季刊誌「仙臺文化」を発行されていて、長年仙台の文化を研究し、仙台の文化を愛していらっしゃる方です。
江戸時代の仙台は、日本で五本の指に入る出版の盛んな街だったそうです。国分町が仙台の文化の中心で、まさに「文化村」だったとか。そのころの本屋は、本のみの販売だけではなく、本屋と薬屋の看板を二枚掲げて、お茶や海苔も売ったりしたそうです。
「縁日の菓子袋や漢方薬の入れ物だとか、そういった日常の印刷物も貴重な文化だ。(まわりを見て)書物はこうして残されているが、あまりそういった日常の印刷物は保管されていないのを、私は残念に思う」
と、渡邊氏がおっしゃっていたのが、深く印象に残っています。
また、渡邊先生の大変貴重な資料を、実際に見せて頂くことができました。
ひとつは、『金華山詣』。金華山詣のパンフレットみたいなもので、金華山の道のりや宿場の案内が載っています。紙が湿ったような、なよっとした質感で、色もところどころ滲んでいる。細い紐の和とじでくくられているが、紐が切れることなくしっかり読める。なんだか、キュンとしました。こんなになっても読めるなんて、という感動と、これを片手に旅人が金華山詣をしたのか、と感慨深いものがありました。
もうひとつは、『出版警察法』。戦時中のあらゆる出版物の取締や発禁本の内容が記録されているものです。戦争に反対するような内容は取締まられ、発禁となり、著者も厳しく罰せられたそうです。「しかし、仙台にも反骨精神を持つ詩人が居たことが嬉しい」と、先生はおっしゃっていました。
講座が終わり、江戸から明治まで、仙台の文化・歴史を一氣に感じて思わずため息が出そうになりました。また、近くで見て・聴いて・学んで、講師の先生の研究への愛を深く感じました。
“研究者と市民をつなぐ”「学び」イベント、肌で感じることができ、とても良かったです。
(岩沼市・女性 朝子)
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