編集部だより

鎮守の森 追想

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 第4号掲載の「名著への旅」では、宮脇 昭著『鎮守の森』を紹介させていただいたが、紙幅の制約上載せ切れない部分もあったので、ここで若干述べさせていただくことにする。
 
 初めて宮脇氏のことを知ったのは、某ラジオ番組におけるシリーズの講話であった。
 「地球環境へのまなざし あなたとあなたの愛する人のために」と題されていた。回を重ねて聴いていくうちに、流暢というよりは朴訥と、しかし、信念を真っ直ぐに押し進めていくその語り口にまず惹かれた。思想の壮健さから来るのだろうか、いかにもお元氣そうである。この1月で満81歳になられた。

 この講話の中で特に印象深い言葉があった。
  「木を植えるための場所がないとは言わせません」
という言い切りの表現。続けて、
  「たとえ1メートルでも、いや60センチの幅でもいい」
と説かれる。
 それだけのスペースがあれば立派なふるさとの森がつくれる、というのである。この言葉を体現した1つの例が、「旅」の冒頭にご紹介した某流通大手Aグループの自社店舗に木を植える運動である。

 「旅」で取り上げる肚を決めてから、昨年の師走、風の強い一日に自宅近くにあるAグループの店舗に改めて行ってみた。なるほど、木々たちは風の寒さに耐え、1メートル四方に3株くらいずつ「混植・密植」されていた。宮脇理論が確かに実践されている。この春に出かけたときには、さまざまな花が咲き乱れていた。

 また、居住地区の鎮守の森にも足を運んでみた。鎮守の森の代表的な樹木はシイ・タブ・カシと宮脇氏は言っている。まずヤブツバキがすぐ目についた。これも鎮守の森に多いという。そして何と、社(やしろ)に降りていく石段の脇に、大人の手で二抱えはあろうかというカシの古木が堂々と立っているではないか。氏の仰る通りだと実感した。何とはなしに有り難かった。

 なお、巻末には『資料編 全国「鎮守の森」30選』が収められており、東北地方からは、熊野那智神社(宮城県名取市高舘吉田字館山8/モミ・ウラジロガシ・シイ混生林)、荒島神社(宮城県本吉郡南三陸町荒島/タブノキ林)、医王寺(福島県福島市飯坂町平野字寺前45/シラカシ林)の3箇所が選ばれており、内2箇所が宮城県なのは県民として嬉しい限りである。

「まなびのめ」編集部 佐藤 曜
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