『市民のネットワーキング 市民の仕事術I』 加藤哲夫著 メディアデザイン(仙台文庫) (2011年6月30日初版発行) Amazon 出版社「カタツムリ社」、エコロジーショップ「ぐりん・ぴいす」、NPO法人「せんだい・ […]
名著への旅
編集部イチオシの「名著」をご紹介します。
第51回『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』
『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』 先崎 学 著 文藝春秋 (2018年7月15日初版発行) Amazon 藤井聡太二冠の活躍が華々しく報じられ、またベテラン勢のタイトル挑戦が続くなど、将棋界は益々の盛り上 […]
第50回『日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族篇】』
『日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族篇】』 竹村公太郎 著 PHP文庫 (2014年7月17日 初版発行) Amazon ふとしたキッカケから、青空文庫で柳田國男の『地名の研究』を読んだことが機縁となり出逢っ […]
第49回『ぼくは猟師になった』
『ぼくは猟師になった』 千松 信也 著新潮社 (2008年12月1日初版発行) 近ごろ、イノシシなどの野生動物が都会に現れたとの報道がいくつかあった。それに対して「野生動物を殺さないで!」との声がいくらか上がった。 […]
第48回『にじいろクレヨンが描いた軌跡』
石巻市内で子どもを対象にお絵かき教室を営みながら、創作活動をしていた画家の柴田滋紀さん(著者)は、2011年3月11日に起きた東日本大震災で自らも被災し、自宅を津波で失い避難所生活を余儀なくされる。慣れない避難所生活の […]
第47回『刑務所しか居場所がない人たち』
最近『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治、2019年、新潮新書)という書籍が話題になっている。いわゆる非行少年には一定数、認知に難のある子たちが含まれており、彼らに対する適切なケアの必要性を、自身の体験や印象を踏 […]
第46回『バッタを倒しにアフリカへ』
バッタの大発生による農業被害を食い止め、多くの「ポスドク」の中からほんの一握り(著者曰く一摘み)の昆虫学者になるため、アフリカ・モーリタニアへ向かった若手博士の奮闘記である。 著者は幼いころから「バッタに食べられたい […]
第45回『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』
「黒い」岩波新書の赤版である。本書は黒でなければならない。黒はアナキズムのシンボルカラーである。 アナキズム、無政府主義と聞くと、国家の転覆を図る過激な革命主義、と思うかもしれない。その側面があることは否定できない。 […]
第44回『こども東北学 (よりみちパン!セ)』
生きることは食べることだ。生きるためには食べることが必要であるならば、なにを食べるのかについて考えなければならないし、誰がそれを作るのかについても考えなければならない。東日本大震災、とくに原発事故のあと、「東北」で食べ […]
第43回『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か』
「大衆迎合主義」とも訳されるポピュリズム populism は、反民主的なものと解されているのではないか。威勢のいい発言と人氣取りに始終し、民衆からの支持を背景に強権的でときに横暴に振る舞う政治家の姿を容易に思い浮かべ […]
第42回『ポケモンの神話学 新版ポケットの中の野生』
近頃、スマートフォンを片手に公園に集まったり、街中を歩き回ったりしている人たちをよく見かける。それはスマートフォン向け位置情報ゲームアプリの「ポケモンGO」(ナイアンティック/株式会社ポケモン)に夢中になっている人たち […]
第41回『人はなぜ物語を求めるのか』
本書は物語論を通じて、人間の思考や理解の方法、さらには人間そのものを探求している。 例えば、自己紹介は自分の来歴を「物語」として語ることであるし、不幸にあった場合には「日頃の行いが悪いから…」と因果付けることで理解・ […]
第40回『それでも三月は、また』
あの日、多くの人々が言葉を失った。言葉を生業とする作家たちもまた。このアンソロジーは、詩人・作家17人による、震災後初めての、またはそれに近い作品を集めたものである。 在仙作家・佐伯一麦氏は「日和山」で、港町に住む親 […]
第39回『一市民の反抗-良心の声に従う自由と権利』
1846年7月下旬、当時コンコード郊外のウォールデン湖畔で暮らしていたヘンリー・D・ソローは人頭税の不払いにより逮捕され、刑務所に入れられる。誰かが替わりに税を払ったことにより収監は一晩で済んだが、ソローは自らの納税を […]
第38回『日本の思想』
手元にある本書は2013年3月15日発行の第93版である。初版の刊行が1961年ということなので、約60年余りで93ほど版を重ねたことになる。現在、流通しているものは、はたして第何版だろうか。 1914年に生まれ、第 […]
第37回『釜ヶ崎から 貧困と野宿の日本』
大学生のころより現地に通い、自ら日雇い労働を体験し、今では野宿者支援を行っている著者による、日本最大の「寄せ場」「ドヤ街」である釜ヶ崎のルポルタージュである。国の景気状況に左右されてきた釜ヶ崎の歴史と現状から、日本の貧 […]
第36回『古代ギリシャのリアル』
なぜ本書を選んだかというと、著者・藤村シシンという人物に魅力を感じたからである。アニメ『聖闘士星矢』好きが高じてギリシャ研究家の道へ、という来歴もさることながら、本書からは「勉強は楽しい!」という氣持ちが溢れ出んばかり […]
第35回『代替医療解剖』
『フェルマーの最終定理』(2000)や『暗号解読』(2001)の著者であるサイモン・シンと、ホメオパシー研究者であるエツァート・エルンストが通常医療の代わりとして用いられている代替医療(ホメオパシー、カイロプラクティッ […]
第34回『春にして君を離れ』
わたしがこれまで誰についても真相を知らずにすごしてきたのは、こうあってほしいと思うようなことを信じて、真実に直面する苦しみを避ける方が、ずっと楽だったからだ。 『春にして君を離れ』は、人生の節目に何度も読み返したくなり […]
第33回『まなざしの地獄』
「社会学をやっている」と言うと、「社会学って何をするんですか?」と毎回問われる。一言でいえば「できごとを他者や社会との関係から考える学問」だろうか。本書は社会学のお手本とも言い得る名著である。 本書の対象は1968年 […]