参加体験記

<みやぎ県民大学>東北大学金属材料研究所講座

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みやぎ県民大学東北大学金属材料研究所
持続可能な未来社会を創る材料の科学と技術

講師  金属材料研究所教授(淡路智氏、加藤秀実氏、笠田竜太氏、藤原航三氏、 梅津理恵氏)
日時  令和5年6月26日(月)~30日(金)(5回)18:00~19:30
場所  金属材料研究所2号館講堂(現地またはオンライン参加)
主催  東北大学金属材料研究所

 本講座はみやぎ県民大学の一講座として開催されたものです。上記研究所(金研)主催の5月の市民公開講座が興味深かったこともあり、図書館で目にしたチラシから見つけて参加しました。Web上で「まなびのめ」ならぬ「まなびのWEB宮城」で講座一覧表がみられます。  ポストコロナの現在、オンラインから対面方式に戻る行事も多くなってきましたが、本講座はオンライン方式も併用しています。個人的にはオンライン方式も残して欲しいと願っています。  

 金研は日本でも有数の歴史を誇る大学の研究所です。金属と材料に関して基礎(学理探求)と応用(実用化)、理学と工学の両面から幅広く研究活動を進めています。両分野の研究について、工学はこれまでにない特性の材料の創製、不可能を可能にすること、理学は新しい物性物理概念の創出、未知を既知にすることと表現しています。  

 本講座は5回(5日)、5名の講師によるシリーズものです。都合により、淡路教授「超伝導と強磁場が拓く未来社会」、笠田教授「核融合エネルギー開発の状況とその実現に向けた材料課題」、藤原教授「太陽電池用多結晶シリコンの結晶成長」の3講座についてオンライン参加しました。  

 超伝導は中央リニア、強磁場は核融合炉の話にもつながります。 今年、政府は核融合の開発戦略を正式に決定し、発電を早期に実現する方針です。金研は核融合発電に必要な核融合炉の構造材料の開発に取り組んでいます。人類の歴史を紐解き、新しいエネルギーや機械を実現する上で材料は極めて重要であると説きます。実現までの道のりは険しいようですが、だからこそ挑戦する意義があると熱く説く講師の今後の研究に期待したいと思います。  

 結晶成長の話では、主流のシリコン型パネルの太陽電池の発電効率は多結晶のものよりも単結晶の方が大きく、中国は単結晶パネル製造技術を国内で普及させて、世界を席巻することになったことを知りました。講師は発電効率を向上させるシリコン多結晶の製造法の研究に取り組んでいます。 講義の内容と所与の時間の間には制約があったようですが、一般市民にもわかりやすいように解説されていました。また、講師と参加者の質疑を聴くことも参考になりました。  

 5月の市民公開講座は、「知っているようで知らない磁氣」という題でした。今回の講座について言うなれば、「言葉(用語名)は聞いたことがあるが、詳しくは知らない○○」というようなことになるのでしょうか。研究所の講座担当の方にはお世話になりました。(仙台市 島田昭一) 

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