開催日時 2023年5月20日(土)10時~
講師 マリヤ・クラヴェツさん(ウクライナ出身、東北大学大学院)
主催 仙台国際交流クラブ
5月20日(土)に仙台国際センターで行われた「ウクライナの伝統装飾画ペトリキウカ塗り体験会」に参加してきました。ペトリキウカというのは、ウクライナのドニプロの近くにある村の名前だそうです。この村で部屋の壁や家具、楽器などの装飾に使われていた装飾技法が今ではユネスコの無形文化遺産になっています。植物や鳥、蝶などを装飾的に描いたデザインが多いです。猫の毛で作った筆を使うこと、二色の絵の具を筆先につけグラデーションをつくること、筆の形を活かした水滴模様を上手に使うこと、丸い実は指の先を使って描くことなどの特徴があります。モチーフ、筆の材料からも生活に身近な絵なのだろうなということがよくわかります。
体験会では西洋肝木、向日葵など三つのモチーフから好きなものを選ぶことができました。私はツィブーリカという花のモチーフに挑戦しました。
ツィブーリカとはウクライナ語で玉ねぎという意味の単語ですが、玉ねぎの花というわけではなく、描かれた花の形が玉ねぎの断面に似ていることからこのモチーフを玉ねぎと呼ぶそうです。実際に体験を始めてみると、猫毛の筆の柔らかさを感じました。一つ一つの線や形ごとに、筆を運ぶ方向が決まっていて、確かにその通りに筆を動かすとお手本に近い雰囲氣を出すことができました。きれいなグラデーションをだすには、絵具に水を入れすぎないことと筆の毛の向きに氣を付けて動かすことが大事だとわかりました。講師のマリヤさんと二人のアシスタントの方は、私が筆を動かすたびに「とても上手ですね」と褒めてくださり、絵をかくのが苦手な私でも楽しく体験することができました。
私が参加した回には私のほかに二人の体験参加者がいました。一人は高校生でドイツ人とウクライナ人の両親を持つ留学生、もう一人はウクライナ出身で現在仙台の日本語学校に通っている方でした。体験中に講師の方たちとウクライナ語で会話している姿を見て、うらやましいなと思っていましたが、体験終了後二人と日本語で話をすることができました。仙台にもいろいろなルーツの人が、いろいろな事情で生活しているのだなあと改めて思いました。
最後にウクライナ国旗カラーの紙で出来たスタンドをもらい、自分の描いた絵を飾って持ち帰りました。絵を描くことを楽しむという、私にとっては非常に珍しい体験ができた良い休日になりました。(仙台市 たぬきのこ)