参加体験記

東北学院大学ヨーロッパ文化研究所公開講演会

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<東北学院大学ヨーロッパ文化研究所公開講演会>
「『他者』との対話―中世のカトリック・ビザンツ・イスラーム世界」


「10世紀コンスタンティノープルのアラブ人」
講師:根津由喜夫 氏(金沢大学)
「中世ムスリムが見たヨーロッパ―「ローマ」と「フランク」―
講師:谷口 淳一 氏(京都女子大学)
「4~15世紀前半の聖地巡礼に見る「サラセン人」
講師:櫻井康人氏(東北学院大学)

日時:2007年12月15日13:30~16:30
場所:東北学院大学8号館5階押川記念ホール

 「中世における『他者』」というテーマに興味があったわけではなく、単純にキリスト教世界とイスラム教世界の対立構図を読み解くKeyが提示されるのかな、と思い参加してみた。案の定「そんな単純なものやおまへんのや」状態で、三人の先生方の真摯な取り組みに口をあけて眺めるばかしだった。イスラム世界は地勢的にも優位にあり文化的にも豊饒。「他者」を認知することは「自己」を認知することでもあった。カトリック教会にとっての敵は、異端など反教会の全てが敵であり、イスラム世界だけが敵ではなかった。のだそうです。ルネサンス、宗教改革、大航海時代を経て、ヨーロッパがこの後世界を席巻することになる種が芽吹き始めたのがこの中世という時代なのだろう(かな?)。
 自分がヨーロッパの側に立った視点で、イスラム世界を理解しようとしていることに気が付いて、なにやら含み嗤いが口元に浮かんでくるのを感じた。

(青葉区・文字翁)

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