東北大学・読売新聞社共同プロジェクト 市民のためのサイエンス講座
夢みた未来はすぐそこに。「生命、宇宙、ロボットの科学で未来を拓く」
1.「生命の多様性を未来に伝えるために」
講師:千葉 聡 氏(東北大大学院生命科学研究科 准教授)
2.「オーロラにはじまる宇宙科学の最前線」
講師:小野 高幸 氏(東北大大学院理学研究科 教授)
3.「ダンスロボットのしくみ」
講師:小菅 一弘 氏(東北大学大学院工学研究科 教授)
日時:2007年11月18日(日)13:00~
場所:仙台市科学館2階特別展示室
こんなによくばりで贅沢な講座は初めてです!
東北大学の生命科学研究科、理学研究科、工学研究科の各教授よりそれぞれ講演していただき、ふだんあまり触れることの無いサイエンスの中に全身浸かってきました。
テレビやインターネットなどから新しい情報が瞬時に入ってくる毎日ですが、実際の研究に携わった直接的な情報を目に、耳にできたのはラッキー!!
最初に耳にしたのは、千葉准教授の声「生物学は探検だ!」どんな話しの展開か興味津々……
生物の多様性を未来に残して行くのが大事なこと。中でも、「ハエの幼虫の節を作る遺伝子と、人間の手足を作る遺伝子は同じです。」これにはびっくりしました。同じ遺伝子でも、生物によっていろいろなタイミングで形の多様性ができているそうです。
進化の話しでは小笠原諸島の兄島の例をあげ、1種類のカタツムリから50種類以上のカタツムリが誕生し、この進化に要した時間はわずか17年程と予想以上に速いことがわかりました。
多様性を失った生態系を再生するには、長い年月と大勢の人の力が必要!なぜ環境破壊の問題が大きく問われているのか?が理解できたように思える。
次に小野教授による、宇宙から地球に注がれた高エネルギー電子が起こす、大気の放電現象がオーロラである。……という話しから始まった。オーロラは太陽風を受け、磁場と大気を持つ惑星に起こる現象で、木星、土星でも発生している。磁場がない惑星では発生しないそうです。
また9月に打ち上げられた人口衛星「かぐや」の打ち上げ瞬間の秒読み等の迫力ある映像は、緊張と興奮が伝わってきてとても感動しました。また、「かぐや」から見た月の映像の素晴らしさに日本の技術の進歩にも驚かされ、期待もいっそう膨らみました。
最後はサイエンス講座では欠かせない「ロボット」の話題。
自動車などの組み立てに力を発揮した産業用ロボットは、現在では工場で当たり前に活躍しています。
小菅教授は「ダンスを上手にこなせるロボット」の開発に取り組んでいます。
世界的に高齢化が進んでいる現在、身の回りの手助けをするロボットの研究を目的としている。
長身の研究員とワルツを優雅に踊ってみせるダンスパートナーロボットは、腰のセンサーで相手の次の動きを予測する事ができるのです。外装デザインの話しや経費捻出の苦労話し等々、教授、研究員らの熱い想いが伝わりました。
安心出来て頼れる介護ロボットが誕生する日も、そう遠くないように感じました。
たまたま見つけた広告で、滑り込みで申込んだ講座が、こんなにも豊かなものだったなんて……
これからも機会をみつけて、参加して行こうと思います。
(太白区・主婦A)