編集部だより

Even異聞異文トークVol.1『僕の狂ったフェミ彼女』から考える、来たるべき未来

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 Even異聞異文トークVol.1<韓国フェミニズム小説『僕の狂ったフェミ彼女』から考える、来たるべき未来>に参加してまいりました!

開催日時:2022年7月18日(月・祝)14:00~16:00
開催会場:even(仙台フォーラム7階)  

 世界経済フォーラム(WEF)が今年7月13日に公表した「ジェンダー・ギャップ指数2022」で、日本の順位は146カ国中116位。昨年3月の120位(156カ国中)より数字の上ではわずかに上昇しましたが、主要先進国では引き続き最下位だそうです。(ちなみに、韓国は99位、中国は102位。)

 2016年に韓国で刊行された『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著)は136万部のベストセラーとなり、日本でも23万部を突破したそうです。これを機に、韓国文学やフェミニズムをテーマにした小説がどんどん翻訳されています。

 ミン・ジヒョンさん著の『僕の狂ったフェミ彼女』もその流れをくむ作品ですが、この作品の面白いところは、どちらかというと、差別する側であるアンチフェミニスト男性(いわゆる一般男性)の視点で物語が進行するところです。

 著者のミンさんは2008年に交換留学生として東北大学で行動科学を学び、そこで友情を深めた(同じく東北大学で建築を学んでいた)加藤慧さんが本作の日本語訳を担当しています。仙台市民にとってはとても嬉しいエピソードです。

 イベントのちらしにも書いてあるように、「フェミニズムといえば、女性だけの問題」と捉えられがちですが、ジェンダーの平等を目指すことは、すべての人々の「人権」が尊重されるために必要なことだと思います。キュレーターの長内さんが用意してくれた資料をもとに、物語の背景となる韓国と日本の社会情勢や様々な社会的出来事を知ることで、さらに理解が深まった氣がします。地元仙台で、こういったテーマでざっくばらんに語り合える場に遭遇できて、とても有意義な時間でした。

 そんな素敵な時間を企画された「even」は昨年11月に仙台フォーラス7階にオープンした、ギャラリーや3Dプリンター等があるワークルーム、Youtube動画の撮影やZoomライブなどが出来る配信スタジオまである活動スペースです。

(失礼ながら)若い人向けの高級なお洋服が売ってるのだろうなぁと、フォーラスの上の階にはほとんど足を踏み入れたことがなかったのですが、今後も今日のようなイベントが開催されたらぜひ参加したいです。

「まなびのめ」編集部 庄司 真希

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