参加体験記

東日本大震災文庫展Ⅻ 震災伝承 つたえつづけてゆく記憶

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東日本大震災文庫展Ⅻ 震災伝承 つたえつづけてゆく記憶

主催:宮城県図書館震災文庫整備班
日時:2022年3月5日(土)~5月29日(日)
場所:宮城県図書館2階 展示室

 今年も3月11日がきました。東日本大震災から11年が過ぎ、震災記憶の風化が懸念される中、その伝承に力が注がれています。

 県図書館では2階展示室の一角で「震災伝承 つたえつづけてゆく記憶」と題して東日本大震災文庫展Ⅻが開催されています。4月の某日、入ってみました。発災当時の新聞、写真集、壊れた壁掛け時計、自治体(女川町、岩沼市、山元町)の記録誌、気仙沼向洋高校の記録誌や気仙沼市の写真集などが展示されています。

 県の資料「みやぎ・復興の歩み11」が11年間を総括的にまとめています。同資料によると、今年1月1日現在でも全国からの人的支援は県に51人、市町村では158人在籍しています。震災後の国、県、各自治体の復旧、復興対策については、その内容に異論もありますが、県内各地域で尽力された方々には心より敬意を表したいと思います。

 震災の記憶の風化防止を目的とし、伝承施設が被災地域に設置されたり、被災施設が震災遺構として整備されています。県の資料には伝承施設、震災遺構など18施設が紹介されています。紹介された伝承施設や遺構関係のパンフレット資料も置かれており、持ち帰ることができます。ほとんどは公共施設ですが、民間の施設もあります。みやぎ生協の学習・資料室のパンフレットが置かれていました。

 震災遺構には学校施設が多く指定されています。気仙沼向洋高、中浜小、大川小、門脇小、荒浜小の各校舎です。被災後、石巻市、東松島市、女川町、岩沼市などの遺構地域を訪ねたことがあります。

 特に当時の職務と深い関係にある地域に在った大川小学校は感慨深いものがあります。職務の一つは警察・消防や自衛隊の救援・捜索活動を支援するもので、地区内の決壊した道路の仮復旧工事や浸水地域からの排水作業などでした。普段は北上川沿いに広がる水田地帯と集落の家並があった地区ですが、一面の泥水の海になっていました。その海の中に、昼夜兼行で道路復旧工事や浸水地区の排水作業に従事する人々、その後の行方不明の方を捜索する消防署員や自衛隊員の姿がありました。現在でも、その光景を思い出すことができます。

 この地域の日々変化する様子を確認するためにも今後も訪ねて行きたいと考えています。

(仙台市 島田昭一)

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