編集部レポート

リーディング・ライブ「沿岸部の物語を伝える、語りを聞く」③高砂地区編

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開催場所:せんだい3.11メモリアル交流館
(仙台市若林区荒井字沓形85-4 地下鉄東西線荒井駅舎内)
参加日時:2022年1月30日(日)14:00~14:45
出演:上島 奈津子氏、野々下 孝氏、原西 忠佑氏
演奏:山本 純氏(チェロ)

 せんだい3.11メモリアル交流館で開催された、企画展「 Voice~仙台市東部沿岸地域の伝承と物語」の関連企画<リーディング・ライブ「沿岸部の物語を伝える、語りを聞く」③高砂地区編>を観劇しました。仙台市東部沿岸地域にまつわる伝承や物語を朗読劇として上演する今回の企画は、①六郷地域編、②七郷地域編、③高砂地区編の三回開催されました。

 ③高砂地区編のみの観劇でしたが、上島奈津子さん、野々下孝さん、原西忠佑さんという在仙演劇ファンにはなんとも魅力的なキャスティングでみごたえがありました。三人の軽妙な語りと、なんといっても山本純さんのチェロの音色が物語を盛り上げていました。

  高砂という地域は、社会人になりたての二十代のころ、五年ほど通勤で通っていた場所です。今もあまり変わりませんが、その土地や地域に存在する石碑や神社、風習などに無頓着で生きてきたなぁと実感しました。

 民話のなかには、猿や鶏などの身近な動物、地蔵や達磨に天狗など昔話におなじみの登場人物が、その地域の言い伝えの語り部として、私達に過去からのメッセージを伝えようとしているのでしょうか。地域の変貌する様を記録する役割もあるように思えました。

 仙台市東部沿岸地域は、仙台港が出来る前後に大きな影響を受けたようです。地域開発によって、地名が変更になったりすることによって、過去の災害の記録であったり、先祖が残してくれたアドバイスのようなものが失われていくことも今後さらに氣にかけていく必要があるでしょう。

 物語を楽しみつつ、自分たちが暮らす地域に根差した習わしを語り伝えていく今回の試み、今後もぜひ継続してほしいものです。

「まなびのめ」編集部 庄司 真希

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