企画展「うみべの小学校」
期間:2020年9月26日(土)~2021年1月31日 (日)
時間:10:00~17:00
場所:せんだい3.11メモリアル交流館 2階展示
企画展「うみべの小学校」&震災遺構仙台市立荒浜小学校 解説ツアー
日時:1回目…11月14日(土)10:20分~13:00
2回目…12月5日(土)10:20~13:00
かなり時間が過ぎてしまいましたが、「まなびのめ」の読者の皆さんのなかにも、昨年秋からせんだい3.11メモリアル交流館で開催されていた企画展「うみべの小学校」に足を運ばれた方はいらっしゃるでしょうか。
地下鉄東西線荒井駅に併設されている「せんだい3.11メモリアル交流館」の主催で、東日本大震災の津波による甚大な被害により、統合や閉校を余儀なくされた三つの小学校―「荒浜小学校」「中野小学校」「東六郷小学校」の思い出を集めて紹介する展示イベントです。津波到達時に止まった大時計や体育館に飾られていた校歌の木製ボードなどの展示のほか、BGMは、小学校で実際に録音された日常音というところにもこだわりを感じました。
今回は、展示にあわせて開催された「震災遺構仙台市立荒浜小学校 解説ツアー」にも参加しました。当日は、企画担当の学芸員さんの解説を聞きながら展示を見た後、荒井駅から仙台市営バスに乗車して、約10名の参加者の方々と共に、現在は震災遺構として一般に開放されている「仙台市立荒浜小学校」を見学しました。その日は天候も良く青空の向こうに海が見え、その距離の近さをしっかり意識することになりました。
4階の展示室「3.11荒浜の記憶」で見たドキュメンタリー映像では、地域の指定避難所でもあった小学校で、あの日、どんな時間が流れていたか垣間見ることができます。校長先生や町内会長さんたちの判断や決断によって守られた命のことを考えさせられました。
まもなく震災から丸十年が過ぎようとしていますが、「区切り」というものをつけられる人ばかりではありません。まだまだ前を向いて生きていくことが難しい人や地域もあるでしょう。「どうなれば復興したといえるのか」の基準や価値観も人によって様々です。メディアで取り上げられる回数が減ったとしても、ときおり、それぞれのタイミングで、あの日のことを思い返す時間が必要だと感じた一日でした。
「まなびのめ」編集部 庄司 真希