名著への旅

第52回『市民のネットワーキング 市民の仕事術I』

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『市民のネットワーキング 市民の仕事術I』
加藤哲夫著
メディアデザイン(仙台文庫)
(2011年6月30日初版発行)

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 出版社「カタツムリ社」、エコロジーショップ「ぐりん・ぴいす」、NPO法人「せんだい・みやぎNPOセンター」などを立ち上げ発展させた著者が、人との出会いや結びつき=「ネットワーキング」をどのようにつくっていたのかを余すところなく明らかにしている書であるが、要点の一つに<ネットワーキングとは、「異質なるものに出会い、学ぶ」方法である>とある。
 
 情報化が進み各人が収集・発信する情報量は、ここ数年で莫大に増えたものの、同質的なものばかりを身近にあふれさせがちとなり、別の視点で考える、多様性を受け入れる、ということが不得手になる傾向はむしろ高まっているのかもしれない。
 
 そこで、異質なものと意識的にネットワーキングしよう、という著者の呼びかけが響く。「他者と出会うことなしに、主体である自分は起動しない。他者の存在なしに、自分は存在しない。社会を生き抜くための主体は、他者によって呼び覚まされる」という著者のネットワーキング哲学は、NPOなどの市民活動にとってのみならず、社会の中で存在意義を発揮し存続するためのビジネスにとっても重要と思われる。
 
 『市民のマネジメント 市民の仕事術II』も併読し、より豊かに「生きるための術」を学びつづけたい。

(前進)

 

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