市民公開講座No.508「5Gって何だろう?」(オンライン講座)
講師:工藤 栄亮 氏(東北工業大学情報通信工学科 教授)
日時:2020年11月24日(火)18:00~19:15
東北工業大学の市民公開講座のサイトから申し込み、はじめてオンライン講座を受講しました。開催当日の午前中、申し込み時に登録したメールアドレスに招待メールが届き、メール内のURLから講座開始の15分前には「入室」可能になります。
Zoomというオンラインビデオ会議・セミナーサービスを利用したのですが、はじめての場合はZoomをダウンロードしてインストールする必要があるので時間に余裕を持って「入室」準備をすると良さそうです。
今回参加した講座はライブ動画を見るような感じで、参加者側の映像はお互いに見えませんし、先生側にも参加者の様子は見えていません。「入室」後、Zoom初心者にもわかるように機能の使い方を示してくれたので困ることはありませんでした。今回は録画、録音、画面キャプチャは禁止と説明されました。主催者の注意事項はしっかり聞いておきましょう。
5GのGが何を意味するかという3択問題から始まり、Zoomの「手を挙げる」機能で解答しました。Gはジェネレーション、つまり5Gは第5世代です。10年を目安にひとつの世代(G)が生まれ変わってきました。1980年代にアナログな音声サービスの1Gが始まり、かつては自動車電話というものがあったそうです。そこからショルダーフォン、携帯電話と進化。1990年代に2Gでデジタル化し、ショートメール、さらにi-modeの登場によってデータ通信が爆発的に増え、2000年代に音声+データ通信の3G、2010年代に4Gで高速大容量の通信が可能になりスマートフォンが普及しました。
そして2020年、より高速より大容量な通信ができる5Gが現れ、様々な分野での活用が想定されています。過去にはポケベルのように開発者の想定外の使い方が生まれたこともあるため、活用法はユーザー次第でさらに大きく広がっていくだろう、ということでした。
「ここだけ電波が入らない」といった現象を経験したことがあるのではないでしょうか。それについてグラフを用いて具体的に解説してくださったのですが、やや難しめでした。目に見えないけれどたくさん飛んでいる電波が重なり合ってお互いに強め合ったり弱め合ったりしており、その弱め合う点が、電波が入らないポイントになってしまうという概要でした。
以前から5G通信エリアがずいぶんピンポイント(〇〇公園内、〇〇交差点付近など)だと感じていたのですが、その理由も分かりました。5Gになるにあたり現在の基地局を単純に置き換えていくというわけではなく、「スモールセル」といって1つ1つの基地局自体のサイズは小さく、通信範囲も狭め、そのかわり基地局の数を多くという考えが主流になっているそうです。これまで通信事業者は「人口カバー率」という考え方で通信網を捉えていたので人口の少ない過疎地には基地局がない場合もあったけれど、たとえば自動運転が本当に必要なのは交通網の発達した都市部ではなく高齢者の多い傾向もある過疎地であり、そのような場所に小さな基地局を作るとその地に合ったピンポイントな課題、細かい要望にも対応しやすくなるとのこと。
通信速度や精度が上がることで技術的には遠隔手術のような高度な活用も可能になる一方で、医療福祉の現場でそれを実現させるには法整備も課題とおっしゃっていました。過疎地域の医療体制が脆弱という話も聞きますし、活用できるようになってほしいですね。
先生から参加者の様子が見えない形式だったのでメモをしている間もどんどん話が進んでしまい遅れないように氣を付けなくてはなりませんでしたが、終了後にQ&A機能を使って質問の時間があったり、後日メールでアンケートに答える際に質問を受け付けてもらえたりと、オンラインならではの利点もあります。わたしはアンケートに感想とともに「招待メールに講座の簡易レジュメを添付してもらえたら助かる」旨を書いて送りました。オンライン講座がさらに受講しやすくなることを期待しています。
「まなびのめ」編集部 三上志穂