第27回操体バランス運動研究会in仙台 市民公開講座 操体法
―自分自身の治る力を引き出す健康メンテナンス―
日時:2010年10月30日(土)
場所:仙台市医師会館 第1会場2Fホール 第2会場5Fホール
皆さんは「操体法」ご存知ですか?
人間の口や歯の形に適しているのは野菜や穀物。呼吸はゆっくり吐けば自然に大きく吸える。自分の体で痛みや違和感のある時、おかしいところ、動かしにくい方向があったら、ラクな氣持ちのよいほうへ動かしてやる。どこが悪いと嘆くより、少しでもよいところ、動くところを喜び、それを伸ばしていく。食(正しい食べ方)・息(呼吸の仕方)・動(身体の動かし方)・想(心のもち方)のバランスで健康メンテナンスをしていくとても興味深いものです。
今回の公開講座ではけが予防や再発防止のために保健室で操体法を活用されているみどり台中学校の山田教諭のお話や操体法などを身に付けた学生が「健康づくり運動サポーター」として地域全体の健康づくりに貢献し、老人とふれあう事で学生自身の人間性も磨かれて成長している等、仙台大学の活動が橋本教授より紹介されました。
なかでも、特別講演をなさいました石岡第一病院の夏井睦先生の「新しい創傷治療」「消毒とガーゼ」を用いない湿潤療法の話の中で、家庭において当り前にしていた、傷を消毒しガーゼで覆ったりする事がかえってその傷を悪化させてしまうという事実です。
そのためには「消毒をしないこととキズを乾かさないこと」です。
キズを消毒したり乾かしたりするとキズを治そうと頑張っている細胞がバイ菌より先に死んでしまって逆効果になるのです。
ケガをした瞬間から体は自分でキズを治そうと働きます。傷口にみられる黄色のジクジクした汁がそれで、治す成分がたっぷり含まれた分泌液です。これは密封された状態が一番働きやすく効果を発揮します。だから傷口の湿潤を保ち、乾かさないことが大切で、被覆剤などを使って自分自身の治癒力を最大限に引き出す湿潤治療がキズを上手に治す方法なのです。
スポーツや遠足や運動会で子供たちがキズを作ることがありますが、 そんな時はまず水道水できれいにキズを洗って、砂ぼこりと一緒にバイ菌も洗い流してください。消毒液の使用は不要です。水で洗うだけでもバイ菌はいなくなります。
その後は料理用のラップでキズを覆うだけ。最初のうちは一日数回、「傷を洗ってはラップを取り替える」を繰り返してください。はじめのうち、傷はジクジクしていますが、次第に分泌液が少なくなり、速ければ5~6日くらいできれいな皮膚が再生します。とにかく大事なのは、「傷をきれいに洗うこと」「傷を絶対に乾かさないこと」だけ。密封していると当然、汗臭いような匂いがしてきますが、これは心配ありません。洗えばきれいに落ちます。
たったこれだけで信じられないほど簡単に傷が治ってしまいます。
だまされたと思って、ご家庭でも是非試しては・・・。
詳しくはDr夏井の創傷治療を見て下さい!
「新しい創傷治療」で検索もできますが、講演内容がダウンロード出来ますので興味のある方も無い方も、ぜひ一度ご覧になる事をおすすめします。
http://www.wound-treatment.jp/ronbun-pdf/slide.htm