編集部だより

次なるフィールドへ

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 この4月よりフィールドレコーディングを始めた。ICレコーダーを持って野外のいろいろな音を録音する。野外音の録音は中学生の頃から興味は持っていて、当時は馬鹿でかいラジカセしかなかったので、外部マイクロフォンを付け、ウントコショと担いで録(と)るしかなかった。今は片手にすっぽりと収まる。その上に、音楽やFMラジオも聴けるので災害時にも役立つ。
 では、フィールドレコーディングで一体何を録るのかということだが、これがなかなかに悩ましい。森や公園などで野鳥の囀(さえず)りや木々のざわめき、風の渡る音などが手近なところだろうが、筆者もまず行なったのは、地元や近隣市町村の神社にお参りし、周囲の森や境内の様子に加えて、必ず二礼二拍手一礼の正式参拝をし、その際に鳴らす鈴の音を録ることだった。当然社(やしろ)によって鈴の大きさや音色が違う。大きな神社の立派な鈴が一番いい音かというと、必ずしもそうとは限らず(人の好みにもよるが)、案外小さなお社のこじんまりした鈴の音に、より惹かれるものがあったりする。その中で、隣り市の有名神社へ楽しみにして行ったところ、3つの鈴から下がっている振り紐が庇の柱に結びつけられていて、鳴らせないようになっていた。貼り紙を見ると「新型コロナウイルスの感染拡大防止のため」とのこと。コロナ禍の影響はこんなところにも現れているのかと、大変残念だった。
 神社巡りも近場はほぼ行き尽くしたので、次にやりたいのは観光地の音録りであるが、これもコロナにより今まで二の足を踏んできた。観光地や名所旧跡では、やはり観光客の賑わいや様々な催し、あるいは土地の人々の暮らしぶりや交わされる会話などの記録を残したいものだが、中止・自粛・休業・縮小・「密」の回避ではなかなか思うに任せない。
 「Go To」キャンペーン等もあり、第一波の頃よりはだいぶ行動が緩和されてきてはいるが、第二波、三波への懸念は今だ強いものがある。ウイルスそのものは勿論だが、このような状況の中で、人々が疑心暗鬼になったり、心の狭くなることが何よりも怖い。「コロナ対策はABC」という言葉があるようで、「当たり前のことを(A) ばかにしないで(B) ちゃんとやる(C)」とのことである。我が身を振り返るよすがとしたい。

「まなびのめ」編集部 佐藤 曜

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