<東北復興創生事業シンポジウム>「復活と創造 東北の地域力」
講師:内橋 克人 氏(経済評論家)ほか
日時:2011年6月18日(土)16:30~18:30
場所:東北学院大学泉キャンパス礼拝堂
第1部 基調講演 「人間復興を求めて 新生・東北が日本を変える」
内橋 克人 氏(経済評論家)
第2部 緊急シンポジウム 「東北再生のために、私達がすべきこと」
内橋 克人 氏(経済評論家)
一力 雅彦 氏(河北新報社代表取締役社長)
星宮 望 氏(東北学院大学学長)
コーディネーター 柳井 雅也 氏(東北学院大学教養学部地域構想学科教授)
今回のシンポジウムは、東北学院大学と河北新報社が地域復興にむけて5月に連携協定を結んだことで実現しました。そしてこの日は、東日本大震災から100日目にあたり会場の礼拝堂には学生さんと一般の方を含めて1,000人以上も集まりました。
基調講演で内橋氏は、現状を公的支援が不十分で国家の成すべきことが成されていないと強く訴えられました。公的支援制度は、阪神淡路大震災の時に一般の市民が立ち上がり、国や政府に強く働きかけたことがきっかけで確立されたそうです。当時、被災者を支援するための法律がまだなかったというのは初めて知り驚きました。震災の被害地域が大きいだけに公的支援をやるのであれば、やはり国をあげてやる必要があるのです。そして東北学院大学と河北新報社の連携は、地方行政ができないことを国や政府に提言していく重要な役割を担っているというのです。この地域に根ざした大学とメディアの連携は、東北地域復興再生にむけて十分に機能を発揮していくのではないでしょうか。
第2部では、河北新報社の一力社長が横軸連携性という言葉で、日本海側の県の重要性をあげられました。震災当日、河北新報社では新聞を製作するサーバーが倒れたため災害協定を結んでいる新潟日報に依頼しました。印刷工場は免震構造のため被害はなく無事に新聞を発行することが出来たそうです。緊急時の危機管理対策のありかたが問われているだけに、今後はさらに他県との連携は重要だと思いました。今回は、気仙沼市の菅原市長も参加されて最後に挨拶され、復興再生にむけて何度も覚悟をもってやると言っていたのが強いリーダーとしてのっ決意を感じました。
最後に、第二次世界大戦での神戸空襲や阪神淡路大震災を経験した内橋氏の言葉には重みがありました。特に若い人たちに対して政治に厳しい目を向けて見るように言っていたのが強く印象に残りました。
(仙台市泉区・男性 H.M.)