対談−ふたつの美術館とコレクション
講師:谷 新 氏(宇都宮美術館館長)
西村 勇晴 氏(北九州市美術館館長・前宮城県美術館副館長)
日時:2012年2月12日(日)13:30-16:00
場所:宮城県美術館 アートホール
宮城県美術館開館30周年記念展の関連事業として行われる対談ということで、対談前に記念展自体も見てきました。
クレーとカンディンスキーといえば抽象画の印象があり、苦手意識を持っていました。しかし、素描を見て形の面白さに魅力を感じました。今まで食わず嫌いをしていて、もったいなかったです。展示の後半部分はバウハウスの建築,デザインの展示が多く見られました。そういえばどちらもバウハウスで教鞭をとっていたのだ、とかつて学んだことを思い出しました。全体的には、いわゆる大作と言われるものがなく、少し残念に思ったというのが正直なところです。
対談ではまず初めに、今回の展示が宮城県美術館と宇都宮美術館の所蔵品のみで成り立っていると聞き、大作がないことにも納得しました。所蔵品のみで系統立てた展示が出来るという点、それなりのボリュームを出せていた点はすごいと思います。一点豪華主義ではなく、厚みを持たせるようなまとまりのコレクションを意識しているとのことでした。さらに、両美術館のコレクション収集の来歴、学芸員さんの収集に関する考え方や理念について詳しく知ることが出来ました。共通の作家の作品を収集していても、そのきっかけや系統は違うのだそうです。行政とのやりとりや予算の話など、美術館の裏事情を聞けました。
後半は各作品の特徴や背景、バウハウスの作家たちに関してスライドを見ながらのお話でした。バウハウスについて耳にしたことはあるものの、詳しくはよく分からないので、もっと初心者にも分かるような流れでお話して欲しかったです。
約2時間半と長すぎる感もありましたが、なかなか聞けないような面白い話も聞けて収穫は多かったです。
(仙台市宮城野区・女性 netdhu)