参加体験記

第41回教化フォーラム「坐禅を科学する」

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曹洞宗東北管区教化センター第41回教化フォーラム「坐禅を科学する」

講師:有田 秀穂 氏(東邦大学医学部統合生理学 教授)
日時:2012年11月20日(火)13:30~15:30 
場所:メルパルク仙台

 タイトルに興味を惹かれました。参加してみると、「教化フォーラム」なのでお坊さんやお寺の関係者らしき人がほとんどのようですが、一般開放されているので、自分も含め数人は一般参加者も。閉会間際に主催者が「『まなびのめ』を見て申し込まれた方は?」と確認すると、5人くらい手が挙がりました。全体の1割ほどで高確率です。
 内容もなかなか興味深いものでした。生物が幸福感を得るのにはセロトニンという神経伝達物質が決定的に必要、とのこと。ところが高ストレスの現代社会では、全般的にセロトニン神経を弱らせる社会になっている、ということで、キレやすかったり、うつ病やうつ傾向が多かったり、というのもセロトニン不足と大いに関係があるらしい。そこで、研究によってわかってきた「こうすればセロトニンの分泌を増やせる」ということを、有田先生が解説してくださいました。セロトニン活性化には、1)リズム運動(歩行、咀嚼、呼吸など)、2)太陽光を浴びる、3)他とのふれあい(グルーミング)が効果的、とのこと。1)に関して、坐禅の呼吸法や読経が理にかなっているという関係です。リズム運動といっても、テレビを見ながらランニングマシンをやってもセロトニンがほとんど分泌されなかった、という結果だったそうで、「集中」ということも大事なようです。3)は人だけでなくペットとのふれあいでもよく、マッサージなどの触覚刺激で、オキシトシンというストレス中枢を抑制する物質が分泌されるので、結果としてセロトニン系が活性化しやすくなるとのこと。
 氣分が上向かないときは、無理に上げようとするよりも、上記3点を意識してみると自然に良い方向に向かうのでしょうね。落ち込んでいる人への対応も過度な励ましで負担を感じさせるより、「リズム」「太陽」「ふれあい」をそれとなく伝えてちょっとずつでも実行してもらうのが案外近道かもしれません。かなり実際的な「学び」となりました。感謝。

(若林区・前進)

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