編集部レポート

スーパークローン文化財展

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東京藝術大学スーパークローン文化財展
最先端技術でよみがえるシルクロード
── 法隆寺・敦煌莫高窟・バーミヤン ──

日時:2019年4月19日(金)~ 6月23日(日)
場所:東北歴史博物館 特別展示室

 奈良法隆寺には大昔にほんのちょっと立ち寄っただけで拝観もしなかったので、釈迦三尊像に会いたくて出かけました。
 展示室に入るとそこは金堂が再現された空間で、お香の匂いが立ち込めており、時折、法隆寺の僧侶たちでしょうか、圧倒的迫力の声明(しょうみょう)が流れていました。入ってすぐ正面に三尊はおられました。周りの壁面は、焼損(劣化)した金堂壁画十二面が同素材で焼損前の状態まで復元されていました。どちらもすぐ間近で見学出来ましたが、どこからどう見ても本物としか見えません。別ブースではその制作過程の映像も流されており、興味深いものでした。
 敦煌莫高窟で一番美しく、「美人窟」として有名な壁画がある第57窟も印象的でした。保存のため一般公開が困難とのことで、ここで体感出来たのは幸運でした。特に正面の如来坐像の前に立つと、ちょうど如来様から見下ろされる形で目と目が合い、「私の前では一点の隠し事も出来ないのだよ」と心の奥まで見通されている思いで、自然に祈りの感情が湧いてきました。
 他に、アフガニスタン・バーミヤン東大仏天井壁画、北朝鮮・高句麗古墳群江西大墓、マネやゴッホの油彩画、日本の浮世絵など、約70点のスーパークローン文化財が展示されていました。

法隆寺釈迦三尊像復元

「まなびのめ」編集部 佐藤 曜

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