編集部だより

たかが“ぬか”、されど“ぬか”

  • LINEで送る

 2月上旬のある日、何氣なく仙台駅前をぶらぶらしていると、チャック付きのナイロン袋に入ったぬか床が販売されているのを見かけました。売り文句からすると、そのぬか床は特別な手間暇をかけなくても冷蔵庫で簡単にぬか漬けを作ることができるという代物らしいということがわかります。値段も高くなく、失敗してしまってもいいから一度挑戦してみようという氣持ちになり、購入して帰宅しました。
 毎日ぬか床を混ぜるなんて自分には不向きだ、と感じてこれまで挑戦することはなかったぬか漬けですが、この商品は週一回程度のお手入れでいいとのこと。ぬか床の手入れは非常に難しいとよく耳にするので半信半疑ではあるものの、いまも週一回程度のペースでこの二週間ほどぬか床と向き合っています。いまのところ特に問題はなさそうなので(とはいっても、初心者なのでなにがよくてなにが悪いのかはわからない)、おそらくこれからも同じようなペースでぬか床と付き合うことになるのでしょう。
 さて、ここまで書いた文章は単に市販のぬか床の宣伝のようになってしまいましたが、今回の編集部だよりの目的はそこにはありません。ぬか床と向きあう中で大きく自分の生活が変化してきたということを紹介したいと思います。
 今朝も自分で漬けたぬか漬けを食べましたが、正直にいってあまりおいしくはありません。どのように漬ければいいのか、食材はなにが向いているのか、等々、インターネットを中心に情報を収集して試行錯誤する日々が続いています。それと同時に、朝食をとったりとらなかったりと、一定しなかった朝の過ごし方もぬか漬けを食べるために少し早く起きて食事を用意するというような生活に変わりました。そして、毎朝のぬか漬けのために以前と比べると夜更かしをする回数も減ってきました。
 今回この記事を書くにあたって、過去の「まなびのめ」の研究者インタビューをさかのぼっていると、十年以上前に行われた畠山英子先生(東北福祉大学)の「“食べ方”は“生き方”をあらわす」を見つけました。畠山先生はその中で「若年層の食生活が心身の健康にもたらす影響について、実証的に確認できたものと考えています」と指摘されています。まさしく、「たかが食、されど食」というように食生活に氣をつけることは大切なのでしょう。
 正直にいうと、この二週間ほどで確かに私の生活スタイルは大きく変わってきていますが、はたして心身ともに健康になったのかと聞かれるとあまり自信はありません。ですが、これまで当然のこと過ぎてあまり氣にかけていなかった食事をとるという行為を中心に生活すること自体は大切なことですから、これからも「たかが“ぬか”、されど“ぬか”」の氣持ちを持ち続けられるようにしていきたいと思います。いつまで続くかはわかりませんが…。

「まなびのめ」編集部 佐々木 隼相
  • LINEで送る