市民公開講座No.455「言葉のデザイン」
講師:阿部寛史氏(東北工業大学クリエイティブデザイン学科助教)
日時:2019年1月25日(金)18:00~19:30
場所:東北工業大学一番町ロビー2階ホール
タイトルに惹かれて受講してみました。
阿部寛史先生は大学で教鞭を執りながら、タイプデザイナーでもある、とのこと。タイプデザイナーとは、文字の書体・フォントをデザインする人のことです。これまでモリサワというフォントメーカーから「みちくさ」というフォントをリリースしています。
フォントデザインを進める中で、「読む文字は形だけと思われがちだが、その形は声に出して読む際の音声と表裏一体の関係にあるだろう」という想いを強くしたそう。だから演題も「文字のデザイン」ではなく「言葉のデザイン」なのか、とちょっと納得したり。
一口に「明朝体」といっても相当な種類のものがあり、それぞれに表情があって、その文章により「合う」ものがあるのですね。新聞や書籍も数種見比べてみるとよいでしょうか。
阿部先生の「みちくさ」や、藤原行成の筆致をもとにした「こうぜい」など、「つづけ字」となる際に、前後の関係で文字の形が変わるという、面白みのある書体もあるのですね。
現在では、紙に印刷されるだけでなく、パソコンやスマホなどデジタルデバイスで読まれることを前提に書体もデザインしているそうで、無味乾燥な文字でなく温かみややさしさが伝わるフォントデザインが大事になるでしょう、と。
阿部先生のこれからのフォントデザインに期待しています。
「まなびのめ」編集部 川又進