参加体験記

伊達綱村公300年遠諱記念 特別展 「伊達綱村」 展示解説

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伊達綱村公300年遠諱記念 特別展 「伊達綱村」 展示解説

講師:東北歴史博物館副主任研究員 塩田 達也 氏
日時:2018年12月2日(日) 11:00~12:40
場所:東北歴史博物館 特別展示室

 快晴日和に博物館と周囲の景物がしっとりとした秋色に染まっていました。
 「最終日なので全力投球で行きます!」という第一声から始まりました。弁舌さわやかに、時にユーモアも交えた分かり易いお話でした。藩祖政宗公に比べて、はるかに見聞することの少ない綱村公について、どんなお話が聴けるのか期待が高まりました。
 父綱宗の突然の隠居により、わずか2歳で藩主になった稀な例で、伊達騒動の時にはまだ13歳だったそうです。また、禅や黄檗(おうばく)宗にも造詣が深く、燕沢の善応寺や太白区の大年寺を建てました(ここに墓所があります)。大年寺からは「木造 迦葉(かしょう)尊者立像」が出品されてましたが、これは「拈華微笑(ねんげみしょう)」という禅宗での有名な逸話を表したものだそうで、事実この迦葉像がにこやかにお笑いになっているのが印象的でした。
 塩竈神社を崇敬していた綱村公の塩竈に対する数々の業績と、その遺徳を後代に伝えることが、この特別展のもう一つの大きな意義である、とのお話でした。「御舟入堀(おふないりぼり)」によって塩竈に荷が下りぬようになり活氣もなくし、すっかり寂れてしまった塩竈。公はこれを氣遣い、「貞享特令」と呼ばれる塩竈振興策を打ち出し、再び商品流通拠点の地位を回復させ、賑わいを取り戻したのです。綱村公の薨去後、塩竈の東園寺では藩に願い出て位牌を安置し、毎年法要を行って来ており、塩竈の住民が今に至るまでも公を大事にしているのはこの業績に依るものでした。
 東園寺で300年遠諱を記念して、今年新たにお造りした綱村公の木像も出品されておりました。己の意志を貫き通さんとする凛としたお顔を脳裡に留めて、館を後にしました。

参考文献
『肯山公三百年諱記念 お殿様のまちおこし 伊達綱村公と貞享特令』肯山講 2018年

「まなびのめ」編集部 佐藤曜

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