“男女平等のまち・仙台”を目指して 未来をつくる学生たちへ~ノルウェーからのメッセージ~
講師:大隅 典子 氏(東北大学大学院医学系研究科 教授)ほか
日時:2013年5月30日(木)14:00~16:00
場所:せんだいメディアテーク オープンスクエア
日本で初めて女子学生の入学を受け入れたのは東北大学だそうで、それから今年はちょうど100周年にあたるのですね。全国で3番目にできた帝国大学として独自性を打ち出す必要があって、「研究第一主義」「門戸開放」の理念を掲げ、女子学生にも門戸を閉ざさなかった、というのが当時としては画期的だったと言えましょう。素晴らしい。
その後も先進的な伝統を受け継いでいる東北大学での、女性研究者育成の支援プログラムなどの概要を説明していただきました。「裾野を広げる」だけでなく「高みを目指す」ための様々な施策が行われていることがわかります(→詳しくはWebで)。
学部生の女子学生比率は25%ほど、女性教員比率も12%と年々上がっていて、女性が学び、研究を続けることのハードルはどんどん低くなっているのですね。ただ詳しく見ると理系ではまだ比率が低いとか、教員でも「講師以上」となると7%台とか、まだまだ余地は大きいのだとか。
さらに女性研究者の活躍が広がるために、男女ともにある「無意識のバイアス(家事・育児は女性がすべきもの、など)」に氣づくことが大事、と。また、女性リーダーの方がうまくいくケースも多い、という指摘も(伝統的日本の女性リーダーとして旅館の女将さんの例)。なるほど、なるほど。
という大隅先生のお話のあと、ノルウェーの研究副大臣であるラグンセル・セッツオース氏(女性です)の講演もありました。男女平等先進国と言われるノルウェーは、今年女性参政権100周年だそうです。いろいろあります100周年。社会を変えていくのは長い年月をかけて、労働法制なども改善を重ねて、地道に着実に進めるものなんだなあ、とあらためて氣づかされます。日本の少子化対策なども、近視眼的に即効性を求めたらいけません。長い目で展望をもって、ですね。
副大臣の締めの一言「まず家庭内での男女平等が必要ですよ」に、ドキリ。それは当然にそのとおり、と思いつつも、「実質的に母子家庭」などと言われるほどに、家事・育児参加率の低い我が身を振り返ると、「ほんとスミマセン」としか言いようがありません。地道な改善を長い目でみてやってくださいまし。
(仙台市・「母子家庭」の夫)