れきみん秋祭り2018
~みごとなり! 巧みな東北ここにあり~(伝統工芸職人実演ほか)
歴史民俗資料館内にて、伝統工芸の職人さんによる実演や創作現代紙芝居の上演
日時:2018年11月3日(土・祝) 10:00~16:00
場所:仙台市歴史民俗資料館
実演企画の前には、企画連動の学術講座
「仙台職人の歴史と文化」
平成30年10月6日(土) 13:30~15:00
がありました。本日11月3日はその実技編です。
仙台市でも近年、伝統工芸、伝承芸能の保存にも力を入れていますが、ここ「れきみん」ではいち早く企画展示や実演に反映している「実物が見て触れる資料館」です。本日は、れきみん資料館サポーターとしてレポートいたしたいと思います。
工芸実演は、10:00~16:00 で
・仙台箪笥、たんす金具(八重樫 榮吉さん)
・仙台箪笥、たんす指物(関谷 周一さん)
・仙台箪笥、たんす塗り(長谷部 嘉勝さん)
・遠刈田こけし(佐藤 康広さん)
でした。私は昼頃からの箪笥金物の八重樫さんと遠刈田こけしの佐藤さんの実演を拝見してきました。
箪笥金物職人の八重樫榮吉さんと言えば、忘れてはならない我らの笹氣出版(印刷)さん刊行本「錺金具の耀き」という八重樫さんの職人芸を知る仕事ぶりが書かれた一冊がありますのでまずはこちらもご一読です。
「野草観賞が大好きでして、そこからつるや葉をみることで意匠を思い付くこともー。(本文より要約)」という言葉は、かの北大路魯山人と全く一緒です。煮詰まったら自然を観察しなさい、意匠、色彩、季節感がすべてそこにある、というわけです。
実演は、鐡、胴、アルミそれぞれを、槌とノミでひたすら加工していく根氣のいる作業を拝見しました。
「ところで、この3つの中で一番加工しづらいものはどれだと思いますか?」
答えは意外にも「アルミニウム板」なのだそうです! 縦に線を入れるのは容易いのだそうですが、レリーフの膨らみ打ち出すときになかなか力がいるのだそうです。「アルミのなべ意外と強いでしょ」と八重樫さん。強度を増したゆきひらなべを思うと何となく納得です。
仙台箪笥の美しいエンブレムは、30cm位の円形を切り出して加工するのに1週間ほどだそうです。
迫力の鉄槌の三拍子は今でも耳に残っています。
もうひとりの職人は、遠刈田こけしの佐藤さん。資料室ステージ台で角材から削り出して彩飾し、1体が仕上がるまでの実演を見せていただきました。
海外でも実演経験があるとのことで、解説や質問回答を交えながらのトークショーは、おば、、いえ、女性の方々に好評のようでした。枝振りの描画と愛らしいこけしの表情のかき分けや、削り作業道具に質問が集中して和やかな雰囲氣の作業風景でした。
(れきみん資料館サポーター 無名)
錺金具の耀き ―鐵を育む [仙台箪笥]金具職人 八重樫榮吉― 【文化伝承叢書4】
- 著者笹氣出版編
- 価格¥ 2,160(2018/11/19 10:27時点)
- 出版日2009/08/10
- 商品ランキング1,177,666位
- ハードカバー176ページ
- ISBN-104915948528
- ISBN-139784915948527
- 出版社笹氣出版