はじめての美術「絵本原画の世界」
講師:菅野 仁美 氏(学芸員)
日時:2013年5月11日(土)14:00~
場所:宮城県美術館ギャラリートーク
子どもたちがはじめて出会う絵本。はじめて接するからこそ本物の美術に触れてもらいたい。月刊絵本「こどものとも」はそうした理念のもとに生まれました。
そして宮城県美術館の絵本原画コレクションは10670枚を数え、今回は320枚の原画をみることが出来ます。
大勢の人が鑑賞されているなかギャラリートークの時間で学芸員の菅野さんのお話を聴くことが出来ました。
印刷した絵本を見ただけでは解らない貴重なお話です。例えば山脇ゆりこの原画にだけある、ぐりとぐらのたまごをどう運ぶか相談しているシーンのこと。中谷千代子のジオジオのかんむりは、初めは水彩で描かれたが麻布の質感を大事に本来の油絵にしたら数段良くなった等。関野準一郎のうしかたとやまうばは、水面の表現に木目そのものを使う等版画を知り尽くした作者ならではの技法である事。なかのひろたかのちょうちんあんこうは、うすい色を尋常じゃないぐらい重ね塗りしあの深みのある色合いにしているとか…感激!!
話には出ませんでしたが、私が一番魅かれたのは田島征三のふるやのもり、泥絵具を用いた黒と白の濃淡で力強く描かれ、絵本からは想像もつかない大きな作品で圧倒されました。それが原画の魅力なのかもしれません。
(太白区 さらんくん)