編集部レポート

わかってほしいホントの気持ち
~“支援”って何だろう?~

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仙台市教育センター市民開放公開講座
発達障害理解シンポジウム
「わかってほしいホントの気持ち~“支援”って何だろう?~」

日時:2018年8月7日(火)14:00~16:30
場所:仙台国際センター・大ホール

 仙台市教育委員会では、さまざまな問題について、学校、PTAならびに広く市民に向けた公開講座を毎年開いていて、今年は「発達障害」をテーマに選んだ、とのこと。
 たしかに「発達障害」という言葉を日常的に耳にする機会も増え、「発達障害」をかかえる人もかなり身近に一定数いる、ということも聞きます。まずはどういうことなのかを知ることからが大事だろうと思います。

 今回は、基調講演「クラスで共に生きるには?~学校取材の現場から~」(講師:NHKディレクター・西澤道子氏)と、シンポジウム「一人一人に合わせた配慮とチームでの支援を考える」の二部構成。基調講演では、横浜の小学校におけるドキュメンタリー制作などを通じて、見えたこと、感じたこと、考えたことを西澤氏が語り、シンポジウムでは、発達障害当事者、小学校教諭、発達相談支援センター所長をシンポジストに迎え、宮城学院女子大学・梅田真理教授のコーディネートでそれぞれの立場から議論を深めました。

 仙台市では、北部・南部と2つの発達相談支援センター(アーチル)を開設し、発達に関わる相談を受けているそうですが、小学校に入学するまでに、1学年につきおよそ1割のお子さんについて相談があるとのこと。10人に1人は「発達」に関わる相談があるわけで、それはもはや「特別」なことではないですね、と。

 基調講演のキーワードとしても話されましたが、他人事であったり、「支援者」として上からの「支援」を施すと考えたり、ではなく、自分と「地続き」の問題ととらえることが肝のようです。「発達障害」の人が感じる「生きづらさ」は、程度の差はあれど自分にもある、共感できることでもあったりします。また「人の役に立つ人間であることの喜び」も、皆が共感できるものです。
 一人ひとりが違って当たり前、どんな「違い」も差別されることなく、「発達障害」の人も心落ち着ける居場所は、誰にとっても生きやすい場所となりますね。

 参加者の方では学校でも保護者でも「当事者」が多かったようで、そもそも「発達障害」ってどのようなもの、という初歩的なことは話されませんでしたので、その辺はまず自分で学ばねばなりませんね。このレポートを書くにあたり、「アーチル」のWebページをさっと読むだけでも概要の勉強にはなりました。まずは「知る」ことから。どうぞ皆様も。

「まなびのめ」編集部 川又進

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