編集部だより

宮内庁書陵部に行ってきました

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 先月末、皇居にある宮内庁の書陵部へ史料調査のため行ってきました。明治時代に侍従長を務めた徳大寺実則の日記(『徳大寺実則日記』)の閲覧を目的としていました。

 徳大寺実則は1840(天保10)年生まれ、侍従長として明治天皇を補佐しました。側近の中でも天皇からの信頼が厚かったことが伝えられています。そのような人物だったからこそ、明治天皇をめぐる政治的な意思伝達の際の仲介者としての一面もありました。

 今回の編集部だよりで私が紹介したいことは、徳大寺実則ではなく、彼の日記を所蔵している宮内庁書陵部への訪問です。

 宮内庁書陵部では、皇室などに伝えられてきた貴重な書籍を管理しています。今回、史料の閲覧のために訪れたのは書陵部の中でも図書寮文庫というところでした。公立の図書館や大学図書館のように、ふらっと訪ねて行き、閲覧したい史料の出納をお願いするという具合には話は進みません。

 閲覧の手続きは訪問希望日の十日前までに申請する必要があります。閲覧席数の都合もあるため、希望日通りに訪問できるとは保証されてはいないようです(今回はまったく問題はありませんでしたが)。申請が受理されると、許可証を郵送で受け取り、訪問当日はそれを持参する必要があります。

 さて、訪問当日、実際に宮内庁書陵部の建物にたどり着くまでですが、当然のように皇居の中に入ることとなります。北桔橋門という門から出入りするのですが、警備している皇宮警察の方に許可証と身分証を提示することで、ようやく門をくぐることができます。セキュリティが厳しいわけですから、不審な様子がないよう振る舞わなければ、と非常に緊張するひとときでした。

 皇宮警察の方に案内されて門をくぐると、そこは喧騒から離れ、緑にあふれた場所でした。少し前まで自分が混雑した地下鉄に乗っていたことが信じられないくらい、落ち着いた空間です。滅多に入ることができないのだから記念に写真でも撮ろうかなと思いはしましたが、はたしてここは写真撮影をしてもいいものだろうかと思い悩み、結局写真を撮ることはありませんでした。いずれにしろ、普段の日常生活では味わえないような緊張感に包まれながら、貴重な書物を閲覧するいい機会となりました。

「まなびのめ」編集部 佐々木 隼相

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