参加体験記

ヴェールの向こう側から

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ヴェールの向こう側から―北朝鮮民衆の文化人類学的分析

日時:2014年2月15日(土)
場所:東北大学片平さくらホール

 北朝鮮についての文化人類学的研究成果の報告ということで、興味深く参加しました。文化人類学的手法を用いるといっても、さすがにフィールドワークをするのは難しく、主に脱北者(一般的には「だっぽくしゃ」と発音していますが、先生方は「だつほくしゃ」と読んでいました)に対する聞き取りを通して、民衆の生活をうかがい知る、という方法を取られているそうです。出された話題も民衆の食料確保の方法、人口の推移、脱北者家族のネットワークについて、と興味深いものばかりでした。
 そんな中で最も印象的だったのが、発表者の先生方が口々に「こういう成果を発表する機会がなかなか無く、今回のシンポジウムを非常に嬉しく思う」とおっしゃっていたことでした。そのことと関連して、全体を通して強調されていたのが「脱北者の脱政治化」です。「北朝鮮」「脱北者」と聞くとどうしてもその政治体制が頭に浮かんでしまいますが、そことは切り離した、北朝鮮民衆の日常生活を捉えるという視点が必要であり、またそうした研究から得られた情報は国の体制を知る上でも有意義である、ということでした。
 大雪の降る中でしたが、参加した価値は大いにありました。

(仙台市青葉区・男性 ラニヤップ)

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