参加体験記

芹沢銈介コレクション アンデスの染織

  • LINEで送る

開館25周年記念「芹沢銈介コレクション アンデスの染織」ギャラリートーク

講師:本田 秋子 氏(東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館 学芸員)
日時:2014年5月24日(土) 11:00~12:20

場所:東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館

 芹沢銈介自身の作品が好きで、これまでに何度か足を運んでいました。今回は芹沢銈介が収集していたコレクション展示ということで、よく知らないアンデスの染織に期待して訪ねました。
 「つづれ織」という色彩や絵柄がはっきりと出る技法が用いられたものが多数あり、コチニールという虫が染料に使われているという赤色が目に鮮やかでした。他の文明や遺跡でも動物や人々の暮らしの様子が描かれているイメージがありますが、アンデスの染織でも同様のモチーフが使われており、その中でも鳥のモチーフが目立って多かったです。マスコット風の鳥がついた飾り紐など、かわいらしい作品がたくさんありました。
 アンデスの人々は文字を持たず、文字の代わりに結び縄による数字表記がされていたことは有名ですが、織物による表現や伝達も大いに発展していたということでした。大航海時代のスペインによる侵略の際に、自分たちに関する多くの情報が織り込まれた織物を奪われるくらいならそれらを焼き払ってしまうことを選んだ、というお話が特に印象的でした。
 学芸員の方と参加者との距離が非常に近く、氣軽に質問できて楽しく観賞できるので、別の企画展でもまたギャラリートークを聞きに行きたいと思います。

(仙台市若林区・女性 かいがら虫)

  • LINEで送る