編集部だより

日本語、お上手ですね。

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 新年度が始まり、2週間が経ちました。私の通う大学も新入生をたくさん迎え、キャンパスは非常に賑やかになっています。私が大学に入学したのは今から7年前のことです。1年生を見かけると、7年前はまだ中学校にも入っていなかったのか、月日が経つのはとても早いものだ、と感傷に浸ってしまいます。

 さて、「まなびのめ」第40号は「明治150年」をテーマとして2人の研究者へインタビューを行いました。クレイグ先生はカナダ出身、モリス先生はオーストラリア出身で、研究テーマは日本の歴史です。クレイグ先生、モリス先生ともに「日本語が非常に上手」です。大学での講義や論文の執筆など、日本語を使って様々な仕事をされています。

 クレイグ先生やモリス先生と同じような海外出身のとある先生の授業のアシスタントをしていると、学生から「先生は日本語がとても上手ですね」と声をかけられる場面によく遭遇します。大学に入ったばかりの学生からすると、明らかに「外国人」風の先生が「外国語」ではなく日本語を使って1コマ分の授業を行っていることが新鮮なのでしょう。かつては私も同じような印象を受けたことを覚えています。そのようなときに、「海外出身なのに、日本語が上手だな」と感心するのだと思います。

 クレイグ先生、モリス先生をはじめ、海外出身の日本研究者で大学で教鞭をとっているような先生の多くは、日本語の勉強を20歳前後の頃から行っているようです。そう考えてみると、大学で働く40代の海外出身の日本研究者は20年近くもの間、日本語を勉強しているという計算になります。付け加えるならば、職業柄ですが、日常会話では滅多に使わないようなムズカシイ言葉もたくさん知っています。今春、大学に入学した1年生を18、19歳くらいとしてみると、先生方が日本語を勉強し始めるのは彼ら/彼女らが生まれる前のことかもしれません。

「先生は日本語がとても上手ですね」
「ありがとうございます。なにしろあなたが生まれる前から日本語を話してきましたから」

「まなびのめ」編集部 佐々木隼相

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