参加体験記

国連防災世界会議とHFAからみた東日本大震災

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HFA市民セミナー「2015年国連防災世界会議に向けて
―Hyogo Framework for Action からみた東日本大震災の教訓―」
第1部 国連防災世界会議とHFAからみた東日本大震災

講師:村尾 修 氏他(東北大学災害科学国際研究所教授)
日時:2014年7月18日(金)13:15~15:20
場所:せんだいメディアテーク

 
 

 国連防災世界会議が仙台で開催される、とは聞いたことがあるものの、詳しいことはよくわからないというのが多くの市民の実情でしょう。そんなわけで、2015年3月の開催までに市民向けにもいろいろな催しを企画していくようで、これもその一環とのこと(東北大学主催、仙台市共催)。
 前回の国連防災世界会議は2005年に神戸で開かれ、2015年までの10年間に、各国が取り組むべき防災に関する行動枠組みを策定したそうで、それが「HFA=兵庫行動枠組2005-2015―災害に強い国・地域の構築―」ということを知りました。その内容など知るわけもなかったのですが、「東北大学災害研でも数箇月前には半分くらいの先生は知らなかった、市民の皆さんが知らないのは普通です」と言われ、ちょっと安心(?)。
 ざっくりとした中身(優先行動)としては、(1)防災のための統治力、(2)災害リスクの特定、評価、観測、早期警報、(3)災害知識の普及、防災教育、(4)災害リスク要因の削減、(5)効果的な対応、復旧への備え、で、当然のことばかりと思われるものの、世界でトータル的にできている国はまだまだ少数なのだとか。そもそも「防災」はある程度経済的安定がないと向かえないもの、と言われるとナルホドと。世界的にも都市リスクが高い日本は、元々防災対策は先進的なので、この世界会議も日本がリードしているのですね。。
 HFAはかなりまとまった内容なので、2015年以降も大きく変えるところはない、という考えが大勢のようですが、この10年、特に東日本大震災を踏まえ、第3回では何を新しく打ち出せるのか、というのが仙台会議の見どころ、と。「防災と開発目標とのリンク」「よりよい復興」「災害統計」などがキーワードで挙げられました。
 そういう大きな話も、このように詳しく聴ける機会があると興味が高まりますが、実際的には、「我が家の防災はどうなってたっけ」とか、「普段からの近所づきあいが大事」とか、身近な問題を抜きにはできませんね。先日の「県民防災の日」に行われたわが地域の防災訓練は、避難所開設・運営マニュアルの検証が主目的とのことでした。少なくとも、家庭だけでなく、地域のことにも関心をもって、あの日々を忘れずに備えていかなければ、とあらためて感じた次第です。
 第2部「2013年フィリピン台風調査報告」では、いろいろと具体的な研究・調査の成果が発表されたと思うのですが、時間の都合で第1部のみの聴講でした。短時間で複数の先生がそれぞれ伝えるべき内容を発表するので市民が理解するには大変と感じましたが、スライドや説明の工夫のある先生の存在はありがたいかぎりです。

(若林区・古墳大臣)

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