編集部だより

色と紙

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 もうすぐ新年度が始まりますね。学生のころはクラス替えひとつでも結構ドキドキしたものです。新入学生・新入社員のみなさまは、期待と不安が入り交じり、いくらか緊張しているでしょうか。

 わたしの場合、職場は変わりません(仕事は印刷オペレーターです)が、これまでとはちょっと質の違うものを印刷することが多くなりました。これまではモノクロの書籍の本文を主に印刷していましたが、昨年11月からは表紙など様々な色のものを印刷することが増えました。
 
 そこで、色と紙の関係について、ごくごく簡単にご紹介します。
(もしかすると印刷営業やデザイナーでも知らない人もいるかも……?)

同じインキを使って同じ絵柄を印刷しても、紙が変わると全く違って見えます。それは、紙が印刷物の発色に影響するためです。

原因の1つは紙の色。色のついた紙に印刷したものは、私たちの目にはインキと紙の色が混ざって映ります。例えば〈黄色い紙に青いインキで印刷するとやや緑っぽく見える〉というようなことです。これはイメージが湧くのではないでしょうか。インキの透明度が高かったり濃度が薄かったりすると、紙の色の影響はより顕著です。このため、色のついた紙に印刷する場合、紙の色の影響を考慮しなくてはなりません。
さらに「白い紙」の中でも案外白さの幅は広く、黄みがかっていたり青みがかっていたり、少しの差でインキの発色が結構違うように見えます。紙の「焼け」でも変色してしまうことがあります。

次に紙の性質。紙には、表面を均一にする加工をされた「コート紙系」と、ザラザラした「非コート紙系」があります。紙の表面が均一であるほど反射する光も均一になり、色鮮やかに見えます。表面がザラザラした非コート紙系は、印刷後に紙の繊維の間にインキが沈んでしまい、インキの発色が弱くなります。同じインキを使って同じ絵柄を印刷した場合、コート紙系の紙よりも非コート紙系の紙ではインキの発色が悪い、という印象になります。4色の掛け合わせで表現するカラー印刷ではなく、特色(何色かのインキを混ぜて特定の色のインキを作る)で印刷する場合は使用する紙がコート紙系か非コート紙系かによって、指定色が同じでも、混ぜるインキの種類や配合を変えます。

「まなびのめ」は非コート紙系の紙に、特色2色で印刷しています。
もう間もなく第40号を発行いたします。どうぞお楽しみに。

「まなびのめ」編集部 三上 志穂

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