編集部だより

教員の夏休みの過ごし方

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 「先生は夏休みが長くていいですね!」などと言われて苦笑いする教員の方々は比較的多いのではないでしょうか。生徒児童学生は休みであっても、教職員は学校を管理運営する仕事やら会議やら出張やらで、実際にはなにかとやることがあるものです。
 大学の場合、最近ではオープンキャンパスが複数回実施される関係で当番になりますと出校することになりますが、基本的には自分の研究を進めたり、溜まっている原稿を執筆したり、学会に出席したり、出張したり、後期の授業準備をしたり、といったことに費やす先生が大半なのではないでしょうか。実際わたしも学会や調査のために出かけることが多いです。

 今年はそうした個人の取り組みに加えて、学生と一緒に出かけることが多かったです。

 8月初旬には、ゼミ生を連れて新宿歌舞伎町めぐりをしてきました。世界でも稀有な繁華街であるにもかかわらず、電車で一時間ほどすれば容易にアクセスできるのに学生達があまり新宿に行く機会がないということで、教員有志とともに歴史博物館や大型書店、ガード下の横丁などを回り、最後に歌舞伎町の上海料理屋で豚の脳みそやサソリを食べる(もちろんチャーハンなど普通のメニューもあります)ツアーを企画しました。普段と違う場所で会い、話し、いろいろ見聞きするという経験は学生達にとって非常に新鮮だったのではないかと思います。

 また8月下旬から9月上旬にかけて、「宮城研修」という名目で県内のコミュニティラジオ局を訪問する、ということも実施しました。この研修は一昨年度も行いましたが(昨年度は希望者なしのため実施せず)、教員のフィールドワーク先を訪ね、知見を深めるという企画です。普段インタビューをさせていただいている大崎市の「おおさきエフエム放送」と仙台市太白区の「エフエムたいはく」にて、お話を伺ったり、生放送に出演させていただいたりと、こちらも日頃出来ないことを体験させてもらう、ということで行っています。
 参加した学生達が宮城を訪れるのが初めてということ、学生達から希望が出たこともあり、ラジオ局訪問の合間には女川町や荒浜小学校に赴きました。少しでも東日本大震災の被害と現状を理解したいということか、非常に熱心に説明を聞いたり、資料に目を通したりしているのが印象的でした。かくいうわたしは、個人的に思うところもあってこれまで沿岸部に行くことをしてきていなかったのですが、学生が足を運ばせてくれたことで、改めてこれまで避けてきた観点から震災に向き合う機会を得ました。

 しばしば学生に言うことですし、この編集部だよりでも以前書いたことがあったかもしれませんが、研究はしばしば学生からの素朴な問いや行動から大きなヒントを得ることで進みます。大学生たちは、自覚があるか否かは別にして、研究に大きく参加してくれています。
 大学院生の時、「研究は終わらない夏休みの宿題を延々とやっているようなものだな」と思ったことがありました。先輩や学生から与えられた「宿題」に四苦八苦する日々が続きますように。

「まなびのめ」編集部 寺田征也

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