高校生のための心理学講座シリーズ
講師:和田 裕一 氏(東北大学)
福野 光輝 氏(東北学院大学)
越中 康治 氏(宮城教育大学)
邑本 俊亮 氏(東北大学)
吉田 沙蘭 氏(東北大学)
日時:2017年8月9日(水)
場所:東北大学川内北キャンパス講義棟 C棟
去年の講座が面白かったので是非今年もと思い、「高校生のための心理学講座」に参加してきました。
「高校生のための」と銘打ってあるように、それぞれの分野に関するお話はもちろん、どうやったらその職業に就けるのか、どんな大学でどの資格を取ると良いのか、といったお話を聞くこともできます。
社会心理学の福野先生の講座では、
「調べる時はキーワードではなく、その分野で論争になっている点を探すこと。白黒つけることが重要なのではなく、どちらも正しいが、どちらかが優勢になるときの条件(要因)を見極めることが大事。」というお話に興味深く感じました。
そこから実際に『日本人は「みんなと同じ」が本当に好きなのか?』という争点をもとに、外国と日本の研究者の論説や実際に行った実験(多数派ペンの実験)などをご紹介いただきました。
邑本先生の教育心理学では「どう勉強するか」という、学習内容を精緻化できるか、情報量ではなく内容を理解できるかどうか、というお話を聞きました。
理解とは、単純にインプットすることではない。新しいモノを学ぶには知識で捕まえる、そのための基礎が必要だということ。大切なのは知識を活性化できるかどうか、だから予習の必要があり、頭の準備状態を作っておくこと。
あらかじめ頭に準備状態があると違うのか、会場で左右に別れて実験なども行いました。邑本先生の講座では「実際に実験することで理解する」という体験ができるのが面白いなぁと思います。
つい「今から勉強して自分に意味はあるのか」と考えてしまったのですが「忘れても良いから勉強しておく」の言葉に、たとえ忘れてしまったとしても潜在記憶として残るのだということ、「やっておく」ことで自分の経験になって積もるのだと思い直すことができました。
「やってもやらなくても同じ」ではなく「勉強をしておく」「見ておく」やっておいたことが将来何かの役に立つ、という言葉には、勇氣づけられたような氣がします。
今回の講座では「認知心理学」「社会心理学」「発達心理学」「教育心理学」「臨床心理学」について学ぶことが出来ました。心理学と言っても色々な分野があり、自分の知らない分野が実はとても面白かったりするのがこの講座の魅力だと思っています。
是非また、来年も参加したいです。
「まなびのめ」編集部 菅野 麻実