参加体験記

徳川将軍家と東北

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〈徳川家康没後400年記念〉
「徳川将軍家と東北 ─ 泰平の世の歴史と名宝 ─」

日時:2015年8月8日(土)11:00~
場所:東北歴史博物館 特別展示室

 期間中の毎週土曜日11時から展示解説があるとのことで、それに合わせて行きました。
 若い時分に5年ほど静岡県に住し、かの久能山東照宮の近くにもいました。また当時、一度は関ヶ原古戦場を見ておきたくて愛車を駆って訪れたこともあり、家康とは割と関わってきました。今回の特別展も大変素晴らしいものでした。
 展示内容は、「第一章 天下人家康と東北」「第二章 東照宮の光輝」「第三章 徳川将軍家の遺宝」「第四章 新たな時代へ」の4つのテーマから構成されていました。
 まず私たちを出迎えたのは、4代家綱が作らせた一名「歯朶(しだ)具足」と呼ばれる甲冑で、久能山東照宮博物館からの出展です。家康が関ヶ原合戦や大坂夏の陣にも着用していた百戦百勝の甲冑と同じ型のもので、これをご神体に準ずるものとして各将軍家が大切にされていたとのことです。
 次に案内されたのが宮城県指定「木造 伊達政宗椅像」。普段は松島瑞巌寺に安置されていますが、解説子によると「普通は本殿の前で、腰を屈めて見るとず~っと先の向こうの方にいる」のが解る程度とか。だからケースの中でなくナマで、しかも360度ぐるっと見ることができるのは「近年にない展示」なのだそうです。幻の「百万石のお墨付き」やキリシタン禁制など、徳川将軍家とは因縁浅からぬ政宗が、この威風堂々とした姿で東北を堅く守護してきたようにも思えてきました。実際には、文禄の役に出兵する直前の姿を、陽徳院(正室愛姫)の記憶をもとに、政宗の17回忌に合わせて作らせたものと伝えられています。
 日光東照宮からはいずれも複製(原品は国宝)ですが、有名な「三猿」と「眠猫」の部分がやってきました。特に三猿では普段は絶対解らないウラ側も横から覗いて見ることができ、「猿のお尻がどうなっているかがよく解る」機会を得ました。また、国宝に指定されている本殿の大扉は、今回くらいでしか見られないだろうとのことで、梅の金蒔絵が圧巻でした。
 幕末関連では、15代将軍慶喜が大政奉還について仙台藩13代藩主伊達慶邦に宛てた下問状が展示され、その末尾には「忌憚なく言ってほしい」旨が書かれており、こういう書状の存在も初めて知ることができました。
 その他、印象に残ったものとしては、ご存じ上杉軍を象徴する「毘」の旗の大迫力、凛とした天璋院篤姫の肖像、皇女和宮が着用したと伝えられる帷子の金糸銀糸の艶やかさ(これも「目にできるのは非常にラッキー」とのことでした)、奥羽越列藩同盟旗に漂う悲壮感などが挙げられます。
 この展覧会には国宝8点、国重文10点を含む計208点が出展されていました。

(塩釜市 桃配山太郎)
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