編集部レポート

アレルギーになる仕組み、くすりが効く仕組み

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■東北大学サイエンスカフェ
第137回:アレルギーになる仕組み、くすりが効く仕組み

講師:平澤 典保 氏(東北大学大学院薬学研究科 教授)
日時:2017年2月24日(金) 18:00~19:45 
場所:せんだいメディアテーク 1階オープンスクエア

 「いつかは参加したい」と思いつつ、137回目にして初参加。「いつも大盛況」と聞いていたとおり今回も満席で、市民の「学びたい」意欲がひしひしと感じられます。

 年々増加する「花粉症」などにより、市民の関心が高いテーマですが、平澤先生のお話も、問題提示、そしてそれを解き明かす仕組みの説明、のように、市民レベルでも大変わかりやすいものでした。途中、IgE抗体と抗原モデルを使って、どの抗原にどの抗体が結合する可能性があるかをテーブルのグループごと、手を動かし話し合ったりもして、参加者同士の交流も生まれます。

 質疑の時間も毎回時間切れになるほど質問が出されるようで、今回も素朴な疑問から、「大学薬学部は開発よりも基礎研究や専門家養成に重点を置くべきでは」などの提言のようなものまで、いろいろ出される中、先生は一つひとつ丁寧に応答されていました。

 「時間後は直接先生に質問を」とのことで、私も名刺交換とともに確認的質問を。「花粉症の薬で症状が和らいでも翌年また花粉症になるのはなぜ」と最初に提示された問題は、現在の薬は花粉症が起きる2段階の仕組みのうち、第2段階の症状を抑える対症療法で、原因となる第1段階(花粉を異物と認識しIgE抗体を産生)を抑えるものではないから、が答え。「第1段階の原因を抑える仕組みを研究中」とのことなので、「東北大学が花粉症原因療法薬を開発」のニュースを心待ちにしたいと思います。

 参加者配布資料の中に、東北大学関連の「学び」イベントをまとめた「まなぶひと」という新情報誌もあり、学びたい市民にはとてもありがたい情報です。「まなびのめ」もぜひ連携して、学術の世界と市民を益々つないでまいります。

「まなびのめ」編集長 川又進

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