編集部だより

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【だより的閑話 その1】
『快傑ハリマオ』
1960年4月5日-1961年6月27日まで日本テレビ系ほかで放送されていた日本のテレビ映画。

 太平洋戦争直前の東南アジアやモンゴルを舞台に、正義の日本人男性・ハリマオが、東南アジア(第4部を除く)を支配する某国の軍事機関、彼らと結託する死の商人や秘密結社、スパイ団と戦う冒険活劇である。
 
 
【だより的閑話 その2】
(筆者注:夜中、珍野 苦沙弥[ちんの くしゃみ]家へ入った泥棒が)
「山の芋まで持って行ったのか。煮て食う積りか、とろろ汁にする積りか」
「どうする積りか知りません。泥棒のところへ行って聞いていらっしゃい」
「いくらするか」
「山の芋のねだんまでは知りません」
「そんなら十二円五十銭位にして置こう」
「馬鹿々々しいじゃありませんか、いくら唐津から掘って来たって山の芋が十二円五十銭して堪(た)まるもんですか」
「しかしお前は知らんと云うじゃないか」
「知りませんわ、知りませんが十二円五十銭なんて法外ですもの」
「知らんけれども十二円五十銭は法外だとは何だ。まるで論理に合わん。それだから貴様はオタンチン、バレオロガスだと云うんだ」
「何ですって」
「オタンチン、バレオロガスだよ」
「何ですのそのオタンチン、バレオロガスって云うのは」
「何でもいい。それからあとは ── 俺の着物は一向出て来んじゃないか」
「あとは何でも宜う御座んす。オタンチン、バレオロガスの意味を聞かして頂戴」
「意味も何もあるもんか」
「教えて下すってもいいじゃありませんか。あなたはよっぽど私を馬鹿にしていらっしゃるのね。きっと人が英語を知らないと思って悪口を仰しゃったんだよ」
「愚(ぐ)なことを云わんで、早くあとを云うが好い。早く告訴をせんと品物が返らんぞ」
「どうせ今から告訴をしたって間に合いやしません。それよりか、オタンチン、バレオロガスを教えて頂戴」
「うるさい女だな、意味も何も無いと云うに」
 
 
【だより的閑話 オマケ】

産医師 異国に向こう 産後厄無く
 
 


 
 
第34号テーマ「文豪を識(し)る」。物語の化身とも言うべき東西の両雄。如何でしたろうか。
 
 
【その1のココロ】
 シェイクスピアと云えばまずは四大悲劇。学業時代この四つのタイトルがなかなか覚えられなかった。おそらく大学受験期だったと思うが、一応覚えていなくてはまずかろう、ということで何か語呂で覚えることにした。日本語での頭文字をいじくり回していたらこれに落ち着いた。ムレット ─ ア王 ─ クベス ─ セロウ という具合で、以来重宝している。
 
 
【その2のココロ】
 夏目漱石『吾輩は猫である』の一節。
 猫の飼い主で、どこか似たもの夫婦の二人が、泥棒に盗られたものの盗難告訴を出すよう巡査に言われ、かみ合わないやり取りを始める場面である。『猫』ではここが一番氣に入っている。夫も妻もいい味を出している。旺文社文庫版ではこのページの注に「オタンチンは江戸の俗語で、まぬけの意。東ローマ帝国最後の皇帝コンスタンチン・バレオロガス(1403-53)にかけた洒落。」とあるので余計おかしみが募る。絶妙なるジョークだ。
 
 
【オマケのココロ】
 円周率πの語呂である。これを覚えていれば3.14159265358979と小数点14桁までは言える。では、何故ここに? そう、どなたがお作りになっかは知らないが、ちゃんと物語になっているところがスゴイ。国境なき医師団や被災害国への医師による国際貢献の話題は、常に目や耳にするところである。まったくよく出来ている。

「まなびのめ」編集部 佐藤 曜

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