名著への旅

第35回『代替医療解剖』

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 『フェルマーの最終定理』(2000)や『暗号解読』(2001)の著者であるサイモン・シンと、ホメオパシー研究者であるエツァート・エルンストが通常医療の代わりとして用いられている代替医療(ホメオパシー、カイロプラクティック、鍼など)の実相に迫った著作。

 本書の主張は、患者に害をなすのは医療ではない、効果が明らかなもののみが専門家によって実施されるべきである、それゆえ医療は科学的でなければならない、なぜなら人の生命を扱うのだから、ということだろう。そのために、最新の研究成果だけでなく、瀉血を施されたワシントン、偶然から発見された壊血病への治療法、ナイチンゲールの病院改革など、医療・科学の歴史にまでさかのぼって、わかりやすく記述してくれている。

 ちなみに原題はハロウィンのセリフをもじった Trick or Treatment? であり、シャレが効いている。

(寺)

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