参加体験記

導きのデザイン

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市民公開講座 No.325「導きのデザイン」

講師:鹿野 護 氏(東北工業大学ライフデザイン学部 准教授)
日時:2015年10月30日(金)18:00~
場所:東北工業大学一番町ロビー 4階ホール

 10年ほど前、「世界の中心で愛を叫ぶ」と言う小説が流行していた。タイトルだけを聞いて「世界の中心ってマントルかな。よく分からないけど、きっと地球の中側で地底人が頑張るSFストーリーだろうな」と考えていた(ちなみに今、周囲の人物に「世界の中心はどこですか?」とアンケートを取った所、オーストラリア…2、アメリカ…1、赤道…1という結果になった)。実際その小説は青春恋愛ストーリーで、世界の中心はオーストラリアにあるエアーズロックだと明かされていた。手に取った私は「想像と全然違う!!」と心の中で叫んだ。

 さて、上記の様にイメージが人によって異なる事は多々ある。市民公開講座「導きのデザイン」を受講して、これを強く感じた。例えば公開講座内で出てきた事例だが、「太陽」と述べるとA氏は「すごく大きい」と想像し、B氏は「直径が1,392,000 kmある惑星」と想像する。これを同一のイメージというのは若干苦しい。このように、自分と他人の想像するイメージが完全に一致する事はほとんど無い。

 人と人の間に生きる私たち人間は、この想像力の不一致を補うにはどうすれば良いのだろうか。講座内では一つの解として、「要素の分解」「取捨選択」「要約・再構築」をした後にビジュアライゼーション(正しい視覚化)+エモーショナルデザイン(人の心を動かす)を活用する事を提案した。前述した太陽の例では、まず太陽について単語で分類し、情報を選んで図解化する事で、カタチの無い情報を視覚的に一致させる方法を提示した。

 他人と話し合いを重ねる中でどうやっても噛み合わない事がある。その結果疲弊することを避けようとして、思考を停止し理解する事を放棄してしまいがちだ。そんな時、「要素の分解」「取捨選択」「要約・再構築」を思い出したい。あの人は余裕が無かったようだから、普段言いもしない事を言ったのだろうと思える優しさを持ちたい。自らの思考を停止したいがために、画一化して白黒付けたり好き嫌いを決めたくなるが、物事はそんなに単純ではないので落ち着いて考える事を心がけたい。

(名取市 小塙)
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