編集部レポート

高校生のための心理学講座シリーズ

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高校生のための心理学講座シリーズ

講師:邑本 俊亮 氏(東北大学 教授) 他
日時:2016年8月11日(木・祝)
場所:東北大学川内北キャンパス講義棟 C棟

 「高校生のため」というだけあって、高校生やその親御さんの参加が多く、将来の進路に役立てたいと意欲的な生徒さんが多く参加していました。また、宮城県だけではなく岩手や秋田、青森など東北各地からも参加されているようでした。

 まず邑本先生の「認知心理学」から講義が始まり、先生はマイクは使わずにハキハキと聴きやすい声で話してくださっていて明るく面白い先生だなという印象を受けました。

 初めは簡単なトランプゲームの話から、次にダンボールを使った「重さの錯覚」の実験、錯視・錯覚・トリックアートなどなど…たくさんの事例を紹介しながら、「わかっていても錯覚は起こる」「そう言われれば、そう見えてくる」という、認知による見え方の違いを体感しました。
(例えば、「ぷ。」 ←これが何に見えるか? 答え:「ボールを投げる人」。そう言われれば、そう見えてきます。)

 合間合間に小ネタなどもはさみながら、「こんな話をしていると時間がすぐ来てしまう」と先生がおっしゃっていたのが印象的で、つい、勿体無い、もっと聞きたい! と思ってしまうほどでした。

 他にも、欲求による認知心理や文脈が認知に影響する事例などを紹介しながら「ものの捉え方は一つではない」ということを学びました。

 最後に「NTTドコモの愛(i)のあるメール大賞 2008」のとあるエピソードを紹介しながら
(「ある情報」を知っているか知らないかで、メールの内容とその印象が変わる、というものでした)、
 「お互いの信頼があれば、それだけで情報はものすごい効果を持つ」
 「インターネットの普及で顔の見えない相手とのやり取りが増えてきている」
 「だからこそ、これから社会に出るみなさんには、人間関係を信頼できるものにしていって欲しい」
との言葉で、先生の講義は終わりました。

 他にも、加藤道代先生の「臨床心理学」、吉田綾乃先生の「社会心理学」、平真木夫先生の「教育心理学」、工藤敏巳先生の「スポーツ心理学」などもありましたが、ご紹介しきれないのが残念です。どれも興味深く、「心」に残るものがありました。

 「高校生のための心理学講座シリーズ」は定期的に開催されているようでしたので、またこういった講座があれば参加したいなと感じました。

「まなびのめ」編集部 齋藤 麻実

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