編集部だより

あけましておめでとうございます。

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 2014年になりました。
 年末年始はどのように過ごされましたか。わたしは読書に勤しんでおりました。そういうわけで、決して名著とは言わない…けれども面白かった「名著への旅」ならぬ「奇著への旅」といった一冊をご紹介します。

 1995~2011年の間に『週刊文春』に連載されていたコラム「ホリイのずんずん調査」全792回から100の謎を厳選し、それぞれに現在の視点で新たにコメントをつけて再収録したものです。
 調査のひとつに「ミステリー本が重くなった」というテーマがあります。電車移動中に片手でミステリー本を持つのがつらかったので、重く(分厚く)なっているのではと思って調査。『週刊文春』のミステリーベスト国内10作品(1990~2000年)を計量したところ、近年のミステリー本は重量化していることが判明。これは原稿が手書きからワープロ、パソコンへ変化したことと関連するのでは、と締めくくられています。
 その他、吉野家の東京都内全店舗と地方数店舗の牛丼並盛におけるつゆの量の調査、ウルトラマンは本当に3分で帰るのかの調査、近隣の店のチョコボールを買い占めて金のエンゼル・銀のエンゼルが出る確率の調査など、知ってどうするのか、でもせっかく調べたならちょっと教えてほしい内容が満載です。宮城(仙台)が関わる調査も幾つか登場します。
 「周りの○人に聞いてみた」のように、調査対象が偏っているテーマもあれば(そのかわり莫大な人数に事細かにインタビューしている)、過去の資料や文献などをくまなく調査したものもあります。基本的に各テーマはバカバカしいものが大部分(褒め言葉)なのに、調査結果の集計や図表がとても詳細に及んでおり、時間とお金と労力がかかった調査だと思います。何より、氣になったらとことん調べてみる行動力に驚かされます。
 さて、年末からひっそりと設置を開始していた「まなびのめ」第23号はご覧いただけましたか? 東日本大震災からの復興・再生に携わる研究者お2人のインタビュー記事を掲載しています。
年末年始に「どんなことでも思い立ったら吉日な行動力」と「被災地を活氣づける行動力」とを立て続けに読み、わたしの今年のキーワードは「行動力」ではないかと思ってきました。
 それでは、本年も「まなびのめ」をどうぞよろしくお願い申し上げます。

「まなびのめ」編集部 三上志穂
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