編集部だより

「学術は文化」

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 すこし前のことになりますが、東北大学医学系研究科・医学部広報室オープニングイベントに「まなびのめ」編集部もお招きいただき(おぉ、マスコミ関係者みたい)、参加する機会がありました。大学の広報というと長年「学内向け」中心だったのが、最近はやはり社会・市民に向けての情報発信が重要、ということで、より外向けの発信をするために広報室を立ち上げられたとのこと。

 「新規プロジェクト-ナノテクノロジーを利用した脊髄外傷および障害脳における神経回路構築による治療法の開発―について」というミニレクチャー(講師:東北大学医学部臨床准教授小野寺宏先生)では、5年後の実用化を目途に新しい治療法の開発中と伺い、やはり安全性など厳しい確認もあるのだから、地道で長い道のりが必要なのだな、と感じました。

 最後に、医学系研究科長・医学部長の山本雅之先生の挨拶では、「学問・学術は文化です。美術や音楽を愛するのと同じように、大いに応援してほしい」と、市民・社会からの応援を得て、研究をさらに発展させ、成果を社会に還元していきたいという強いメッセージが発せられ、大変感銘をうけました。

 学術と市民は本来遠い存在ではなく、学術研究の成果は社会・市民の財産であるという想いから、「学術の世界と市民をつなぐ」のコンセプトで始まった「まなびのめ」も、おかげさまで少しずつ「つないで」いけてるかな、という自負が芽生えています。

 年明け早々には紙版第3号が発行されます(Web版は常に更新中)。お待ちかね「学びの庭におじゃまします」では、東北工業大学の畑岡信夫先生、東北大学大学院医工学研究科の芳賀洋一先生から「開発の現場」をテーマにしたインタビューをすでに終えています(芳賀先生は取材時間最長記録更新の3時間もお話しくださいました。でも残念ながら紙面の字数は変わりません…)。どちらも知的好奇心をそそられる興味深い内容で、乞うご期待です。どうぞお楽しみに。

「まなびのめ」編集部 川又進
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